「ひとの目 時の芽」
来るべきEC社会に向けて




随分前から、地球環境の保全、資源の有効活用、コストの削減などさまざまな理由で、オフィスでのペーパレス化が進んでいます。

NTTでも1985年の民営化以前から、積極的にペーパレス化を推進してきました。
この延長線上と言うわけではありませんが、貨幣までペーパレス化しつつあるのが今日の動きです。

さて、社会生活での通信手段をみますと、電信・電話などから、FAX、TV電話、パソコン通信、など多様化してきています。これらを可能にしているのがデジタル通信技術であるというとことで、これらの動きは今後ますます進むネットワーク型情報化社会を象徴しているような気がします。

当然ですが、通信技術・マルチメディア技術が情報を運ぶインフラとして重要である、との認識も急速に高まり、最近は具体的なサービスとして、EC(エレクトロニックコマース:電子商取引)に関連した記事が毎日のように新聞や雑誌のページをにぎわせています。
NTTとしてもECなどの分野に対してはかなり以前から、マルチメディア技術活用の場であるとともに新しい産業創出の場でもあると認識し、セキュリティ技術・データ検索技術・マルチメディアデータベース技術・電子マネー技術など、必要となるであろう技術に対しての研究開発を進めてきました。最近のコマースネットジャパンが行っているEC実証実験やインターネット環境を利用した商取引事例などをみるにつけ、貨幣がデジタル化したネットワークの中を行き来するということは、私たちが予想している以上に人々の生活を変える可能性があることを痛感しています。

セキュリティ技術などをはじめとし、EC実現に向けた今後の課題は山積しています。しかし、それ以上に、これからの社会をより豊かなものにしてくれる鍵がEC社会実現にあると信じていますし、私たち自身がその鍵の一部を担うことになれればと思い、技術開発に力を入れています。マルチメディアの最新技術が社会活動や個人生活を変えていく。
また、新しい社会がマルチメディア技術の発展を促す。今後はそんな関係が技術とエレクトロニックコマースにも求められていくことでしょう。
そのニーズにこたえ、さらに夢のある未来像を造りあげていく。私たちに課せられた大きな役割だと感じています。(談)

日本電信電話株式会社
常務取締役研究開発本部長
青木利晴