共通感性言語だけが国境を越える
次々と情報がデジタル化していく今日の社会において、最も大切なのは対話速度である。情報の受け手と送り手とのあいだに差異が無くなった現在、情報の価値はその対話速度によって決まる。世界で最も対話速度の速いものというのを考えたことがあるだろうか?たとえば代表的なものに日本発のコミックやアニメーションがある。つくるもの(送り手)と見るもの(受け手)の垣根は限りなく低くなりブームは瞬間的に発生する。
見てわかるもの、感じてわかるものが世界の共通感性言語として瞬時にして受け入れられていくということであり、このことは音楽においても映像においても全く同じである。
一つの事象からより多くを感じとれる能力
それではそのような中で、私たちはどのような能力を身につければいいのだろうか。企業の原理が働くビジネスの世界ではややもすると技術先行、理屈先行で物事が進みがちである。英語を身につければいいんだ等と言う議論にもなるわけだが、実のところ大切なのは夕日を見て美しいと思うような心である。こう言うといかにも唐突であるが、言いたいのは感性つまり感じる力ということであり、その感性だけが国境の壁を超えグローバルフォーマットとして生き残っていくのである。
一つの事象を見て、そこからより多くを感じるとれる能力、その能力こそがこれから問われるのである。企業の原理と言ったが、これまでのような原理をあてにしているような企業に生き残りの道はない。高度なネットワーク型情報化社会においては感性の力をどう活かすかが最大の原理となるわけである。
バリアフリーのコミュニケーション
多くの人種が入り交じり、結果として伝えることの重要性が常に問われてきたアメリカなどでは、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションが非常に発達している。言語を利用した説明によるコミュニケーションは言葉の壁を超えることはできない。そこで必要なのは視覚的な認識や心への訴えかけである。アイデアは絵に描き、感じたことは色に表し、伝えたいことはキャラクターに変えるというような、ある意味では老若男女を包み込み、自国と他国を分けないようなコミュニケーションを持っていることが大切だ。常にバリアフリーでいつづけることが今後ネットワーク社会の鍵になる。そしてそのことを最短の対話速度で伝えるのが感性であり、共感と言うことになる。
そして五感をネットワークへ
感性は常に個に依存する。これからの社会、特にインターネットに代表されるようなネットワーク型の社会では、個を中心とした感性が世界中を結ぶ情報の基盤になるわけで、中でも皆に指示されるような感性、それこそが共感を呼び社会を動かすわけである。「五感をネットワークへ」このことをキーワードに情報を扱うことが今後は求められるであろう。企業であっても個人でっても、そのことにいち早く気づき実践したものだけが生き残っていくのがこれからのネットワーク社会である。
谷口 正和(たにぐちまさかず)
マーケティングコンサルタント。ライフデザインプロデューサ。
1942年生まれ。武蔵野美術大学造形学部産業デザイン科卒業。生命・生活・人生のあり方を問う「ライフデザイン」を理念とし、コンセプト・プロデュースから経営コンサルテーションまで幅広く活動。
E-mail taniguchi@jlds.co.jp
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