21世紀を見据えたIT型オフィスSO-
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ひとの目、時の芽 「究極のオフィス」
斎藤信男氏 オフィスとは、個人またはグループがそこで快適に仕事が出来、良い成果が上がる場所、あるいは空間と定義しても良いだろう。これからの知識社会では、知識産業が主流となるであろうから、従来の製造業の主体であった従来の工場はどんどん自動化し、知識工場、すなわちオフィスで人間が働く比重が増えていく。

さて、オフィスの将来を考えるとき、以下の二つの技術が重要になる。一つは、これからのコンピュータはとにかく小型化、あるいは超小型化し、いくらでもたくさん使えるということである。超小型のコンピュータをうまく使う技術はこれからの情報産業の重要な課題となるであろう。先日、MITのメディアラボを訪ねたが、「ディジタルDNA」などというテーマもあり、いわゆるウェアラブルコンピューティングがもっと進んだものになりそうな印象を受けた。また、ケンブリッジ大学にも訪ねる機会もあったが、そこでもネットワークの小型化、あるいはたくさんの小型センサをネットワークでつなぐ環境を実験していた。こうなれば、人間にコンピュータを装着した方が良く、モーバイル環境、ウェアラブル環境、あるいはSOHOといったものが当たり前になる。

もう一つは、グループコミュニケーションあるいはグループウェアということである。実空間のオフィスでは、どうやってもそこに集まる人は限定され、グループ活動も自然にスムーズに行く。しかし、もしグループ活動をする人たちが実空間のどこにいるのかわからないというのであれば、サイバー空間でのグループコミュニケーションが非常に重要になる。ソフトウェア開発の国際分業では、実際に対面したことの無い人ともうまく協調して仕事をする。ビデオ会議のようなマルチメディア技術もモーバイル環境でも展開出来るからいくらかは増しになるであろう。米国の大学では、キャンパスに一度も行かなくても修士号が取れるコースもすでに提供されている。したがって、目的を同じくした人たちが柔軟にグループをサイバー空間の上で組織し、そのグループコミュニケーションをあらゆる側面で柔軟に支援する技術が重要になる。

インターネットは世界中のコンピュータがつながるから、インパクトがあった。World Wide Webは、世界中のコンテンツがつながるから、インパクトがあった。もしも、世界中の誰とでもつながって、グループを柔軟に形成し、同じ目的のためにグループコミュニケーションをし、作業することが出来れば、これもインパクトはありそうだ。上記の二つの技術はそれを可能にしてくれるかも知れない。究極のオフィスは、サイバー空間にしか出来ないのであろう。

 
慶應義塾大学環境情報学部教授
環境情報学部長
大学院 政策・メディア研究科委員長
斎藤信男
 
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