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いろは通信

「情報の共有」から「ナレッジマネジメント」へ
 

日本語の情報という言葉は、英語ではinformationとintelligence(他にnews、report等)とで使い分けられます。小学館ランダムハウスの英和辞典を引くと、informationは「情報、たより、報道、知識、見聞、学識」、intelligenceは「知性、知力、理解力、知恵、(敵に関して得た情報を評価して出す)結論、決定」と訳されており、利用されてはじめて目的を達する情報の共有は、intelligenceの共有と言えます。辞書を引きながら、情報共有の効用を高めるための方法を考えました。

イメージイラスト 第一の視点は、「informationからintelligenceへ」です。たとえば、送り手が自分用に作った情報をそのままホームページ(HP)に掲示しているため、受け手にとって情報が判りにくい、期待される情報があってもリンク関係が判りにくく目標のものにたどり着けない、古い情報が入っているため全体が信頼できる情報かどうか判らない、情報に工夫を凝らしているためモバイルをはじめとした速度の低い経路では使いにくい、といったケースは、情報共有の初期によく経験するものです。

対策として、情報共有の目的の明確化、情報の陳腐化防止、情報リンク改善のための努力、情報を使いこなすための情報を送り手と受け手に提供すること、が挙げられるでしょう。

第二の視点は、「情報の送り手から受け手への流通のプロセスの構成」で、情報共有のプロセスが送り手から受け手までシームレスにつながること、情報共有する送り手と受け手双方に情報の正確さや鮮度、守秘保証の状況などが明解に判り、流通の機構が信頼できること、などが達成される必要があります。

当社は経営情報の共有を会議資料の蓄積からスタートし、さらにオフィス設備の拡充も含めて会議への議題の提案から、会議の実施、終了後の社内周知、DBとしての保存・利用までをシームレスに繋ぎました。当初は資料の登録も遅れ気味で、利用者の数も参照回数もなかなか増えませんでしたが、全体の流れがシームレスにつながることで、利用メンバの数も情報の参照回数も急速に増加しました。まず始めること、そしてプロセスを完結したものにすることが重要と言えます。

情報流通のプロセスという意味では、最近は情報流通機構が社内からお客様まで直接つながり、商品使用事例紹介や商品の受発注、お客様の要望にあう他のSI会社の紹介、お客様同士の情報の交換など、お客様が情報を利用して目的を達成するまでの支援ができるような情報共有プロセスの実現が望まれています。

第三の視点は、「intelligenceの質の向上」です。情報を評価して利用目的に対する質を向上させる仕組みを作り運営することは、ナレッジ・マネジメントそのものです。

評価の質を高めるために、会社としての評価の戦略目標が明確であることが先の第一、第二の視点より、一層重要になります。また、いかにナレッジを抽出し維持するかが最大の課題で、それには情報分野毎の優秀なエキスパートの活躍が必須です。加えて、組織的にエキスパートの活動を推進・支援する仕組みの構築を確立することも必要でしょう。

企業内での情報の共有、企業外のお客さまへの情報提供など、膨大な電子情報がネットワークを介して流通・共有されるようになってきましたが、実効の方は今一歩というところではないでしょうか。

エレベータの乗り心地を向上させるためには、「位置情報の制御」→「速度情報」→「加速度」と制御する情報を順次深化させ、最近は「加速度の微分値を一定にするような制御」も行っているそうです。情報共有をナレッジマネジメントまで発展させていく場合も同様で、上記の「第一の視点」→「第二の視点」→「第三の視点」と、順次段階を踏んで課題の解決と目標の達成に取り組んでいけば、道は開けるような気がします。  

 
理事 情報システム部長
大橋楷一郎
 
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