21世紀を見据えたIT型オフィスSO-
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新しいワークスタイルと情報通信技術を活用したオフィス環境
特集 21世紀を見据えたITオフィス  
これまでのオフィス環境とは

オフィススペースを「環境」として捉えるようになったのは、OA(オフィス・オートメーション)の考え方が台頭し始めた1980年代である。この時代、机や棚を対向式に配置したレイアウトから、若干自由度を持たせた変則的レイアウトが採用されるようになり、オフィススペースをデザインする概念が徐々に浸透し始めた。

90年代に入ると、情報化オフィスの到来を予感させるさまざまな進歩・変革が起きる。通信インフラの整備が進み、情報機器がオフィスの隅々にまで行き渡りだしたのが、90年代当初からの特徴といえる。現在もまだその流れは続いているが、これは業務の標準化と情報の蓄積量アップを目指す、いわばハード中心の進歩である。

21世紀を目前にし、このようなハード中心のオフィス環境を一歩先へと変革させる時期に来ている。つまり「人間にとって本当に仕事のしやすい環境とは何か」という本質的な課題が、ここへきて再びかたちを変えてクローズアップされてきている。ものや情報の中心にいるのは、あくまでも人である。情報機器を含む情報通信技術(IT*)の中核に、本来の主役である人を据えたIT型オフィスこそが、新しい時代に対応した戦略的オフィスの理想形といえる。

*Information Technologyの略。通常、情報技術と訳されるが、本稿ではオフィスでの通信技術の重要性を考慮し、情報通信技術をITと呼ぶ。

ITの普及によるワークスタイルの変化

周知のとおり、ここ数年来のITの普及には目を見張るものがある。それはオフィスで働く人々のワークスタイルにも大きな変化をもたらした。ワークスタイルの変化は、当然ながらその器であるオフィス自体にも変革を迫る。

従来のオフィス環境の問題はワークスペースの問題と捉えられてきたが、ITの普及によりワークスタイルの変化を考慮したソフト重視、つまり人重視のオフィス環境の構築が求められるようになってきている。さらに、最近の厳しい経済情勢を反映して企業変革が求められている。従来の仕事のやり方を変えるために、ITを活用することでワークスタイルの変化をもたらしているという側面がある。ハードは行き渡りつつあるが、それをどう有機的にビジネスに結びつけ、人にとって働きやすく生産性向上に繋げられるのかという点が、これからのオフィス環境のあり方を考える上で重要なポイントになる。

IT型オフィスのイメージ
IT普及によるワークスタイルの最大の変化は、時間や空間の制約から解放され、さらには、社内における立場・肩書きなどに象徴される「属性」からも自由になれる点である。IT型オフィスにおけるワークスタイルのイメージは、大まかにまとめると、次のようになる。

(1)縦割型組織からフラット型組織へ
よりスピーディな意思決定の必要性から、従来のように、縦割型でトップダウン式の命令系統によって組織が動くのではなく、部署間の風通しの良さ、職階間のフラットな関係性が重視されるようになる。その足がかりとして、マネジメントクラスと一般社員間でも、より親密で濃密なコミュニケーションが図れるオフィス環境が求められるようになる。

(2)ワークプレイスの複数化
働く場所が複数ある、もしくは不特定であるというスタイルが増加する。たとえばオフィス内で社員は特定の席を持たず、先着制とか予約制にして無駄な空席を減らすなどの試みは、いくつかの企業で既に始まっている。

(3)タイムスケジュールの自己管理化
後述するSOHO(Small Office, Home Office) の考え方とも結びつくが、勤務時間は基本的にフリーで、特定の場所・時間でのコラボレーション以外は、基本的に個人の時間管理に委ねられる。

これらを現実のものとするには、先進的な情報通信システムを装備した企業インフラが不可欠な条件となる。シームレスな情報流通を可能にする情報端末とネットワークの普及・整備の徹底化が、より一層求められる。

 

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