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コラム

次世代のインターネットのインフラ技術として期待されるIPv6

インターネット技術センター
大塚 真

IP(Internet Protocol)とは、その名の通り、インターネットにおいてもっとも基本となるプロトコルである。そのスケーラビリティの高さや、比較的シンプルなアーキテクチャが、インターネットという世界規模のネットワークを産み出す基礎となり、発展を支えてきた。そして最近では、そのスケールメリットから生まれる低コストを背景に電話や放送など、さまざまなコミュニケーション・インフラをすべてIPネットワーク上に構築し統合しようというEverything over IPの流れが進んでいる。

このように、次世代の世界のネットワーク・インフラを支える基本プロトコルとしての役割を期待されているIPであるが、限界も指摘されている。現在使われているIPv4の基本形が定まったのは20年近く前のことであり、現在のような世界規模のネットワークのプロトコルとしてその機能を果たすことは十分には考慮されていない。そこで、ここ数年にわたり、インターネットにおける標準化組織IETF(TheInternet EngineeringTaskForce)において、世界中のネットワーク研究者たちにより研究開発が進められてきたのが、次世代インターネットプロトコルIPv6である。

IPv6では、次のような改良が加えられている。

(1)アドレス空間の拡大
IPv4においては識別可能なホストの数は最大でも32bit(=約43億)にすぎない。現在のペースでアドレスの割当数が増加していくと、あと数年で割り当て可能なアドレスが枯渇してしまうと予想されている。IPv6のアドレス空間は、128bit(=約3.2×1038)にまで拡大されており、当面不足することはない。

(2)プロトコル機能の整理
IPv4プロトコルの中には、現在ほとんど利用されていない機能も含まれている。IPv6ではこれらの機能をオプションという形に整理し、基本部分はなるべくシンプルになるような設計がなされている。これにより各機器にかかる負担を軽減し、より高速な処理を行うことが可能になっている。

(3)セキュリティ機能
IPv6では、暗号化、認証のためのプロトコルが標準で定義されている。

(4)マルチメディア通信への対応の強化
通信や放送では実時間通信が求められる。 IPv6では、これらの機能の実現をサポートするための改良が加えられている。

(5)自動設定
運用コストの削減もインフラとして求められている機能の1つである。IPv6では、設定の大部分を自動的に行うことができるようなプロトコルが定義されている。

このように、IPv6ではさまざまな拡張が行われている。仕様の策定はほぼ最終段階に達し、世界規模の実験ネットワークでの運用実験も数年にわたって続けられてきており、対応製品もすでに市場に出荷されている。移行には多くのコストと時間がかかる、IPv6で提供される機能の多くは現在のIPv4でもある程度実現可能となっている、といった理由で、IPv6への移行がスムーズに進むのは難しいかもしれない。しかし、IPv6への移行がインターネットの再構築につながるという側面をもつ、IPv6の広大なアドレス空間とセキュリティ機能を用いればインターネットの双方向メディアとしての本来の特性が発揮できる、といった側面を考えるとIPv6への移行は早急に進められるべきである。また、IPv6の正規アドレスの割り当ても1999年夏より始まった。アジア各国でのインターネット接続の爆発的増加を控えた今がIPv6への移行をスタートするチャンスといえるだろう。

 

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