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「シーマン(*1)もうやったかい?」「いや、まだですけど」「面白いぞ」「えー!?人工知能のキーマンがシーマンごときに感心しないでくださいよ」「いや、ホントに面白いんだよ」表題にあるエージェントとは、人間の代わりに仕事をやってくれる「人工的な代理人」の総称で、シーマンのような電子ペットもこの範疇に含まれます。インターネットとエージェント技術が発展するにつれて、より充実した日常生活を営みたいというユーザの欲求、そしてサービス提供者の膨大な仕事を少しでもソフトウェアに肩代わりしてもらいたいという期待を受けて、この技術は注目されています。 例えば、オンラインショッピングでは、インターネット上で買いたいものを一番安く早く買えるお店を調べてくれるようにエージェントに指示することが可能です。それだけではなく、時々思いついたように何を買ったら良いか私たちに提言したり、ショップのオーナーと値引き交渉をすることもできるでしょう。また、アミューズメントでは、車でドライブしながら観光名所やサービスエリアといった情報をユーザ位置に応じて自発的にナビゲートしてくれたり、万一アクシデントが発生した場合は、契約している保険会社や近くの病院や警察、修理工場などに緊急通報してくれることも考えられます。 現状のエージェント技術ではエージェントがそれぞれの状況を検出し、自発的に働きかけることが共通した特徴で、このような具体的な用途が考えられています。既存のサービスと上手く連携させることで、その利用価値を高めていると言えます。 エージェント技術のひとつのマイルストーンとして、異なるプラットフォームを横断してエージェント間の会話を成立させること、またエージェントと人間が音声やジェスチャで自然に対話させることが挙げられます。エージェントがまるで電子メールを読み書きして仕事の依頼をしたり作業報告するといった、かなり人間に近いやりとりで対話することが可能です。仕事を依頼されて従順に働くだけでなく、時には拒否することも、他のエージェントに仕事を依頼することさえも、技術的には可能になります。 もっとも、このような人間的モデルで物事を捉えることは、自然なモデルとシステムの挙動に新しい選択肢をもたらすメリットを与える反面、この考え方で本当にプログラムが書けるのだろうかという課題と、仮に書けるようになったとしても、そのパラダイムシフトにかかる初期コストはどれだけのものになるのだろうかという課題もあります。 また、ユーザプライバシをどう保護するかという問題も提起されています。エンドユーザにとっていかに便利で快適か、というメリットのバランスを図りながら、これからも多様な組合わせの連携パターンが現れてくることでしょう。 いずれにしても今すぐにでも必要なのは、例えばEC分野への適用事例のように、エージェント技術を適用する具体的なドメインと、その時どれくらいエージェントプラットフォームが実用に耐えうるのかという実証データ、そしてキラーアプリケーション(*2)の出現です。シーマンのように、エンドユーザまで直接インパクトが届くようなエージェントシステムは、フレームワークがよいだけでなく、相応のコンテンツを身にまとっているのです。フレームワークを考案してきた先進的な技術者が、なかなか立ち入ることのできないコンテンツ領域に飛び込んで、そのドメインのデファクト標準を狙ったオントロジ(*3)を構築したとき、エージェントの潜在能力を十分に活かした応用が期待できるでしょう。
(*1) DreamCastの育成シミュレーションゲームで、生意気な言葉を使う人面魚と対話することができる。 | ||
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