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ひとの目、時の芽 「ASP熱」
杉山逸郎氏 ひょんなことからASP(アプリケーション サービス プロバイダー)に関わることになった。といっても不謹慎な軽い意味で言っているわけではない。私自身1年ほど前からISP業で働き始めたわけだが、これまでと違うサービスビジネスということで最初はだいぶ戸惑いを持った。と同時に、IP接続は使用ベースで販売しているのに、通信をIPベースとしたITソリューションをワンストップ・サービスとして売るという発想がなぜないのだろうかと感じた。結果として、このときに米国でASPの動きが始まったのを聞き、日本市場におけるASPの事業活性に関わることになったわけである。

ASPという言葉、意味するところはIT機能をインターネットサービスとして提供するビジネス形態というあたりか。いまでは毎日どこかでASPの記事をお目にかかるようになった。それだけ待望されているということであろう。ただ気になることは、ほとんどがサービス供給側、または機器供給側の視点による話で、サービスを利用する側の熱烈歓迎のメッセージが少ないことである。ハイテクの世界は三文字言葉、四文字言葉の新たな概念やソリューションが次々と生まれてくるわけだが、基本的に利用する立場の側からの価値がクリアになっていないものは、定着してきていないのではないだろうか。いま我々が置かれている環境、即ち「.COM(ドットコム)企業」がどんどん勃興し、既存企業も含めて急激な速度でビジネス環境が変化していること、さらにその企業群がインターネット武装してグローバルな環境で競争し合う環境になりつつあること、結果としてITソリューションの耐用年数が短くなり改廃のスピードが早くなってきていることなどを考えると、ASPというサービス形態は2000年初頭のビジネス環境を飾るにふさわしいビジネスモデルであると思う。この点は我々ネットワークあるいはITに携わるものとして、もっと使う側に立ったメッセージを発信する必要があろう。

ASPのビジネス形態としての成否は、サービスを利用する側のマインドセットの中でスピードがいかに速いかの重要度を占めるか、またサービスを供給する側がスピードを売り切るだけのフォーカスをもてるかで決まりそうである。さらに言えば日本の企業がグローバルな競争環境にどのくらいさらされるかがASPビジネスの定着への重要な要素となりそうである。

振り返って我々自身のネットワーク/IT業界への影響を予測すると、究極のシナリオとしては、サービス利用者はもはや提供される機能のコストパフォーマンスしか評価しなくなり、ASPは提供する機能を最適化するハードウェア、ソフトウェア、データセンターを選択するのが大きな役割となり、コンポーネントベンダーはASPをプライマリーターゲットにマーケティングをするという構図も意外に真実になりそうである。我々はひょっとすると今、好き嫌いに関わらずIT業界の業態進化の大きなターニングポイントに立っているのかもしれない。

これはひょんなことで、などと言ってはおられないのである。

 
ユーユーネット・ジャパン株式会社
代表取締役社長
杉山逸郎
 
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