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ずばりECで儲けるコツ
 
ネットの掟はバイヤードリブン

今年(2000年)は本格的なEC元年です。昨年末の時点で日本のEC店舗は2万店。このうち成功を収めたのは、パソコン・書籍・旅行といったネット上での売れ筋商品を扱う一部の大企業と、無数にある中小・個人商店のトップクラス数パーセントでした。これからは億単位の投資規模で、さまざまな業種の大企業が参入してきます。問題は消費者がついてくるかどうかですが、それはやり方次第であり、マーケティングの巧拙が問われることになります。

ECの成功要件を、まず戦略面から考えてみましょう。

第一に「戦略・システム・デザインの一体化」。インターネットに託す戦略、そしてその戦略が一貫しているホームページのシステムとデザインが重要です。会社概要や求人案内といった広報の一角に、申し訳程度に実験的なショップを設けているような企業はネットにインタフェースを持っていることになりません。インターネットビジネスに実験はありえず、即本番です。例えばアートネイチャーのようにヘア診断コーナーを設けてマーケティング・データを取ったり、クロネコヤマトのように検索エンジンで顧客の中小商店にリンクを張り、そこで売れた商品を運ぶといった間接効果に絞る戦略もあります。このようにECは物販だけではありません。取り組み姿勢そのものが問われるのです。

第二に、「インターネットならではのビジネスモデル」。アメリカでも初期のECは、現実の商店街や専門店がそのままネットの世界に移し替えられました。確かに、例えば現実の書店ではどんなに大型でもせいぜい在庫は20万点ですが、ネットの世界では300万点程度の仮想的な在庫が簡単に実現でき、それは素晴らしいことです。しかし、これからはもっとインターネットならではのビジネスモデルが要求されます。例えば、買い手と売り手の間に立って需要と供給をマッチングさせる仲介業が、その一つです。アメリカではこうしたマッチングビジネスとデリバリーが結びついて、料理や生鮮食料品、日用雑貨の宅配などが売れ筋になっています。グローバルなメディアとして発達したインターネットですが、ローカルな生活密着型のサービスにも可能性があるのです。

インターネットらしさの表現としては、「リアルコマースとの差の演出」が重要です。これが第三の成功要件。ネットショップに要求される機能の4点セットは検索・推薦・比較・評価(レイティング)だと言われています。しかしITを駆使してこの4点セットを完備したとしても、それだけで売れるとは限りません。検索エンジンが推薦したものと、人間が推薦したものと、どちらに信頼を置くかといったら、やはり後者でしょう。生身の目と検索エンジンをいかに上手に組み合わせるか。商品についての分厚い情報、扱っている分野についての深い蘊蓄(うんちく)、専門家の意見、買い手同士のコミュニティ機能――これらこそ、リアルショップが逆立ちしてもかなわないネットショップならではの要素です。

ネットの掟はバイヤードリブン、つまり消費者主導です。価格までもが消費者の手に委ねられる世界です。パソコンを半額で入手したい人がいるとします。今日の3時から5時までにこの機種のパソコンを買いたい人は手を上げて、と募るサイトがあって、1000人集まったら定価1000ドルのパソコンでも500ドルくらいで売ることができるわけです。実世界のビジネスではとても不可能なことがネット上では実現できます。このように、ECは壮絶な消費者志向の戦いになっていきます。消費者は、このサイトは私のこうした要望に応えてくれるという「明確なソルーション志向」を打ち出しているところにアクセスを集中させるわけです。ネット上のブランド力とは、そうしたソルーション志向の強さにほかなりません。これが戦略面での第四の成功要件になります。

図
 
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