SEMINAR REPORTSO-
「ずばりECで儲けるコツ」 →
 
来店客から購入客への転換

次に戦術面からECの成功要件を挙げてみます。

写真 ネットの世界には3秒ルールというものがあります。トップページを開いて3秒で何の店か分からなければ、ユーザはほかの所へ行ってしまう。「トップページ=ファザード(店頭)」という認識が大切です。ダイレクトにアクセスできるように、企業のホームページとショップのアドレスは分けるべきです。初期には、トップページに大きな絵があって扉をクリックすると中に入れる、というようなスタイルの店が目立ったのですが、最近ではすっかりその手のデザインは消え失せました。いま売れている店のトップページは、例外なく情報てんこ盛りです。サイトを訪れる人には、たまたま来た人、検索して買う人、衝動買いをする人、リピータなどいろいろなタイプがあります。それらすべてに受け皿を用意し、なおかつ、どんな店かを分からせなければいけない。必然的に盛り込む情報は多くなります。大きな絵や写真を貼り付けている余裕などありません。トップページからのナビゲーション、つまり店内への導線も重要ですが、これにはすでにノウハウが確立していますから、人気店の例を参考にすればよいでしょう。

商品提示のノウハウについて言えば、必ずしもビジュアルを豊富にすればよいというわけではありません。むしろインターネットと文字情報は非常に相性が良く、読ませて買わせるメディアなのです。今のところ消費者の購買行動にマルチメディア的な要素はあまり貢献していません。情報の本質はやはり言葉です。ECのことばかり考えていると忘れがちですが、インターネットは当然ビジネスの舞台だけではありません。何かを調べに来たり、何となくふらっと見に来る人のほうが圧倒的に多く、そういう人たちを満足させる店づくりが大切です。なぜなら、口コミで評判が上がるからです。ただ商品を並べてスペックや価格を表示しているような、明らかに売ることだけが目的とわかる提示の仕方はうまくありません。商品そのものの情報だけではなく、先に挙げた4点セットも含めて、バックボーンの情報を充実させることです。そうしたナビゲーションがあって初めて、来店客を購入客へ、そして固定客へと変換することができるのです。

これから始まるECの競争は、実店舗とネットショップの両方を持つ既存の大企業と、ネット生まれのベンチャー企業との戦いである同時に、ネット上の業態間競争でもあります。パソコン・書籍・玩具といった特定の商品を深く広く扱う専門店。安価で品揃えが狭く深いスーパーストア。Yahoo!やAOLのようにショッピング機能を持ったポータルサイト。書店で成功してCDやペットやオークションにも進出するamazon.comのように一つの資源をバックに専門店を広げていくバーティカルポータル。このようにネットにはすでにさまざまな業態があります。こうした熾烈な競争がどのように決着するかは誰にも予測がつきませんが、ひとつだけ確かなことは、どんな業種にせよ、もはや明確な戦略と戦術を持って本気でECに取り組まなければ生き残れないということです。

※本レポートは2000年1月19日(水)にヒルトン大阪金の間で開催された「Solution Seminar in OSAKA」での基調講演を要約したものです。

M&M研究所 代表 三石玲子
M&M研究所 代表 三石玲子
 
← BACKNEXT → 2/2 ←←→→↑ TOP
Copyright(c)1995-2000, NTT Software Corporation

Return to TOP PAGE NTT SOFT