大方の予想を遥かに上回る需要に支えられて、携帯電話の普及は著しいものがあります。この分野の通信事業における研究開発に従事する者の一人として、この現状をいかにして一過性に終わらせず、次世代の発展に結びつけるかが最大の責務と考えております。
今後の移動通信の動向は、(1)ユニバーサル(グローバル)化、(2)パーソナル化、及び(3)マルチメディア化、の3つのキーワードに集約されると考えております。 これらの課題を、新周波数帯の利用と合わせて、一気に解決できるのが次世代移動通信方式です。現行方式から次世代方式への移行については、信号伝送能力に合わせて物理的に変更せざるを得ない「ユーザとネットワーク間の無線インタフェース」は革新的(revolutional)に、「ネットワーク中枢部」は発展的(evolutional)に、というのが世界の趨勢です。 私たちは、今までの研究成果に基づいて、無線技術として広帯域符号分割多元接続(W−CDMA)方式を提案しています。ネットワークとしては、現行方式でも最も広く世界に普及しているGSMを次期方式に発展させる方式を支持し、無線と併せて世界統一を目指しております。特にW−CDMAについては、既に広域高速移動中で384Kbps、狭域利用で2Mbpsの信号伝送が可能なことを、屋外伝送実験で実証しました。また、今年春から世界の多くの有力事業者等と協力してシステム実験を実施する準備を進めています。これにより21世紀早々にも動画を含む高速インターネット等の本格的モバイルマルチメディアサービスを提供する次世代方式が実現可能です。 W−CDMA技術は、我が国の標準化機関であるARIB、TTCで検討中の方式のベースとなっております。また、今般は欧州標準化機関でも方式の主要部分として採用されることが決まりました。今後は北米との調整を経て、世界標準化を目指します。 皆様の幅広いご理解と一層のご支援・ご協力を切にお願い申しあげます。 |
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NTT移動通信網株式会社 常務取締役研究開発部長 倉本 實 |