*当社の企業理念などについては本ホームページの「企業理念・行動指針・コーポレートスローガンを制定」を参照してください。
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企業改革における情報技術が果たす役割
鶴保●コミュニケーションの在り方が変化し、組織における個の意識が確立し、さらに様々な世の中の仕組みが変化したことで企業改革に乗り出されたわけですね。
戦後発明された半導体技術は、約18カ月で2倍の価格性能比を実現し続け、30年で100万倍、40年でなんと1億倍の価格性能比向上を達成しました。これと並行して情報技術も進歩し、変化してきました。メディアもアナログからデジタルに変化しつつありますが、企業改革における情報技術の必要性とその役割についてどうお考えになっていますか。
倉重■コンピュータの技術ほど、人類の通常の思考パターンや行動パターンに制限をつけて商品化されたものはないと思います。にもかかわらず、世の中に急速に広まった理由は、スピードに対する人類のあくなき追及があったからだと思います。昔の情報技術でも、デジタル・メディアの処理はすでに速かったのですが、価格が高かった。
以前は、情報技術を取り入れるのにも、稟議を書いて、審議をして、という段取りを踏まなければならないほど高価なものでしたが、現在では速くて安くなった情報技術に対し、厳しい審議過程は必要はありません。
一般家庭でコンピュータを使うにはもう一息という意見もありますが、情報技術という面からみれば、コンピュータはコスト的にもリーズナブルな範囲の中に入ってきたので、企業は徹底的に使いこなせなければならないと思います。情報技術がなかったらほとんど企業改革にならないと言えるほど企業改革と情報技術は表裏一体の関係にあるといえます。
鶴保●マイケル・ハマーも、情報技術を徹底的に使ってビジネス・プロセスを変えていきましょう、ということを言っています。当社も昨年から、一部の事業部で業務変革の取り組みを始め、今年から全事業部に広げていきたいと考えています。
御社では業務改革のひとつとして、紙で仕事をしないビジネス・プロセスを作るということを提唱されていますが、このぺーパレス化の取り組みによる効果はどのようなものがありますか。
倉重■まずコストの面から見たメリットがあります。紙の使用量が年間およそ1200万枚減り、紙代、コピー代、スペース代、それからコピーの人件費を含め、約1億円のコスト削減につながりました。そして、削減されたコストを情報投資に使用することができました。紙を使わないことで空きスペースがかなりできたので、以前より25%狭いところにオフィスの移転をしました。ここではキーボードを押さなければ、交通費の精算もできないという環境です。
さらに、ペーパレス化により情報共有がもたらされ、売り上げで見た場合の社員1人あたりの生産性がちょうど2倍になりました。それも、社員を増やしながらです。4年間で社員の数が3倍になりましたが、社員の数を増やしながら生産性が倍になったという経験はこれまで初めてのことです。
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個の確立を尊重した組織体系
鶴保●次に、企業と個人の関係に話を移していきたいと思います。これは様々な場所で言っていることですが、人間は物理的なことをやっている限り、個人の能力格差があまり生じないのではないかと感じています。例えばゴルフを例に挙げると、トップが70だったら、私たちでも90位ではまわれます。
しかしこれが頭脳や意識となると、ちょっと違ってくると思うのです。例えばビジネス・マインドを持っているか持ってないかを比較すると、人によっては何万倍も違ってくるのではないでしょうか。例えば、お客様のことを常に考え、ハイクオリティのサービスや製品をソリューションとして提案するということが重要ですが、人によっては、お客様の立場に立つというのはどういうことなのかよくわからないといった具合に、非物理的な意識格差がどうしても生じてしまいます。さらに、このような状態で評価や処遇をどうしたらいいのかという問題もでてきます。このような点から、御社ではどのように人や業績を評価していますか。
倉重■企業がどのような組織体系を築いているかによって人の評価の仕方も変わってくると思います。そもそも日本の企業の特徴である終身雇用や年功序列といったシステムでは、人を物理的なキャパシティの中で使おうとしています。企業が期待した通りに社員が動いてくれればいいのです。それ以上動いた場合は企業が困るので社員を押さえつけ、逆にそれ以下しか動かない人には引っ張り上げようとする。
しかしこれからは、個人が自己実現を目指しているので、企業は個人の能力を最高に発揮させる方向に向かわなければなりません。社員である個人の能力が最高に発揮でき、かつそれをチームの中で高めることで勝負していくということが大切だと思います。業績については、組織はチームで動くのでチーム単位で業績を見ます。そして、個人がそのチームの中でどれほど貢献したかを評価し、働いた分だけ報酬を与えることにしています。この意味で、なぜ評価されるのか、何をしたら評価されるのか、またどう評価されるのかということを明確にしていくということは、経営者にとって非常に重要なことだと思います。
鶴保●個人やチームに対する目標管理は導入されていますか。日本の場合、目標管理を導入している企業が多いのですが、形骸化しているケースが非常に多いと思います。その理由のひとつとして、評価基準がはっきりしないことが原因だと思います。結果として評価の作業が首尾一貫して行われていません。
倉重■そもそも私は、目標管理とは期待管理のことだと考えています。私はチームに自主制を与えているので、目標を自分でセットできるということが自己実現の最たる状況だと思います。ただし、オリンピックの棒高跳びに出るための予選の記録のようなものですが、企業が成り立っていくための最低限の条件があるので、これはクリアしてもらいます。もちろん、それより上に行けば行くほど収入が増えるという仕組みも用意してあります。
鶴保●チームや個人に自主性を与え、個人の能力を最高に発揮させる環境を提供するということは、個のスキルを上げるためのトレーニングや学習が大切になってくると思います。技術の進歩が速いので、自らが外部の知識を学ぶことは当然必要ですが、業務を通して自らが習得する、すなわち経験の蓄積で得られるノウハウも重要です。
当社では、情報通信システム構築で得られたノウハウと新技術を学習できるよう、約40の社内教育コースを設けています。
御社において社内教育はどのように取り組んでおられますか。
倉重■当社では社内教育のことをコンティニアス・エデュケーション(CE)と呼んでおり、ライン・マネジメントにはかなり強制的に参加させています。というのも、当社のようなコンサルティング企業は人のスキルが資産だからです。実は社員のスキル向上がチーム・リーダーの評価の中に入っており、それぞれのリーダーがCEに実績をつくれなかったら、それが報酬にも反映されます。当社では、人のスキルを増やすことに貢献しなかったリーダーは100%の仕事をしたと言えないのです。
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自ら変革する未来企業実験室
鶴保●最後に、当社が4月に決めた企業理念は自らの変革の表明のひとつといえます。御社でもビジョンや企業理念といったものがあると思いますが、そういったものに対する御社の位置づけやお考えをお聞かせください。
倉重■当社は、お客様に対して「最強組織実現への変革支援」、社員に対して「グローバル企業およびその経営者のパートナー」、株主に対して「ベストプラクティス提案と迅速な利益実現」、ビジネス・パートナーに対して「お客様を含む全ビジネスパートナーとの利益共創」、そして社会に対して何ができるかということを常に念頭に置いて企業活動を行っています。これは、お客様や社員、株主、ビジネス・パートナー、そして社会に対してwin−winの関係を築きながら、何が出来るかということを常に念頭に置いて企業活動を行っていることを意味しています。つまり、あるひとつの目標に対してお互いの経験と知恵をぶつけあいコラボレーションすることで、相互の利益になるような接点を探し出すことが、まず当社の目指すところです。そしてその接点として、コンサルティング業を通してお客様の変革を提唱していきたいです。
ただし、「変わりましょう」とお客様に言っても、変わった先の世界は誰も経験していないというケースが実は多いのです。この意味でお客様に変革を提唱する以上、常に自ら変革しようとしています。その自らの変革の体験情報をお客様や社会にフィードバックしていくことが私たちコンサルタントの任務ではないかと考えます。そしてこれが当社の言う社会的貢献にあたります。私どもは未来企業実験室であると自称していますが、何度も自分たちでテストをすることで体験情報を伝えようとしているわけです。
そういう意味では、社員がお客様に変革を提唱し様々な議論が交わされると、最後には当社に来て見てくださいということになっています。社員がビジネスを通して、当社の企業理念をサポートしているのです。
鶴保●まだ誰も体験したことない変革を自ら体験することで、情報としてお客様に提供できるわけですね。ただそのような変革を行いつづけることでのリスクはないのでしょうか。
倉重■当然あります。ただ秤にかければ、おそらくベネフィットの方が大きいのではないでしょうか。リスクが発生するかしないかは、やり方次第。新しいことを失敗しないように、いかに上手く実験するかという議論の方が大切なのです。私たち日本人は、やるべきかやらざるべきかに長時間議論を費やし、いかにやるかというところが疎かになりがちです。この意味で、いかにやるかというところに時間をかけられるような環境づくりが大切であり、自らの実践があってこそはじめてお客様の満足も得られるわけです。何を販売していても共通して大切なことは、お客様には成果の販売をしているということ、そしてその成果はお客様の期待以上のものを提供するということです。価格には特価、定価という2種類がありますが、実は他にもお布施というものがあります。お布施には幾らですという決まりがありません。決まりがないから、払う額はお客様の満足の度合いで決まります。私どもの提供するサービスも、お客様に喜んでお金を払っていただけるような、そんなサービスの提供を目指していきたいと思っています。
鶴保●今まさにデジタル情報社会が始まっています。無料情報のやりとりが主流で発展してきたインターネットの中で、課金のしくみも組み入れられつつあり、ビジネスの道具としてインターネットの発展が期待できます。当社も米国のインターネット最新技術をとりいれたり、当社の技術を米国市場に売り込んだりして、インターネットビジネスを具体化しつつあり、新しい分野にチャレンジしようとしています。
御社と当社とでは、御社のような経営コンサルテーションという川上からのアプローチと、私たちのようなソフトウェア開発というどちらかといえば川下からのアプローチという差こそありますが、自らの変革をお客様への成果に結び付ける。その環境づくりには、私たちも大いに学ぶところがありそうです。
本日はどうもありがとうございました。
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