課題発見
「TISが考える21世紀に向けた新たなるビジョン」

株式会社東洋情報システム


<TISの設立と情報技術の発展>
東洋情報システム(TIS)は昭和46年に、三和グループみどり会の総合情報サービス企業として設立されました。設立にまつわる裏話として、三和グループは昭和45年に開催された大阪万博で三和みどり館というパビリオンを出展し、大変な好評を得ました。そこで、今度は共同で出資して計算センターをつくろう、ということがあったのです。設立当初、設置されたコンピュータは、今から見るとサイズが大きく、処理能力が低いうえに値段も非常に高かったのですが、当時としては、人手で計算するよりはるかに効率的だったのです。

最近ではマルチメディア技術の展開、インターネットの急速な拡大、オープン化、ダウンサイジング化など、新しい情報技術の進展により、企業の情報システムはますます高度化してきています。

さらに情報技術が工場やオフィス、学校といった特定の場所だけでなく、一般家庭にも普及してきているのが特徴です。

このような環境の中、当社では情報技術の進展に伴うさまざまなお客様の声に応えるために、システムオペレーション、通信・ネットワークサービス、ソフトウェア開発、ソリューションサービスの4つの分野で最適なコンサルティングサービスをご提供しているわけです。

<2000年へ向けての中期計画テイク・オフ・スリー>
産性向上を図ることで、お客様に最適なソリューションを提案する。このことを目的とし、当社ではさまざまな活動を行って参りました。例えばISO9000導入による品質向上策や生産性向上を目指したチケット21運動はその一例です。前者に関しては、同業他社に先駆けて1995年8月に4部門でISO9001認証を取得し、1999年7月までには全社展開を完了する予定です。後者に関しては、日本能率協会コンサルティングが開発した知的生産性向上のための考え方である「技術KI計画」を採用し、1995年11月から現在に至るまで、約6割の部門が実施しました。

「より戦略的な情報システムの構築」、「より安定した高品質な運用の実現」といったお客様のご要望は、今後ますます高まり高度化していきます。変化する環境の中で、このようなお客様のご要望に迅速に対応するためには、どうしたらよいのでしょうか?

来たるべき21世紀に向けた新たな経営基盤の構築を目指し、当社では1997年度より「2000年のTISは、業界のトップブランド」をモットーに、
(1)お客様のベストパートナーとして高い信頼を かちえるとともに、お客様の戦略課題実現に 参画できる。
(2)高い営業利益率を実現し、社員に夢のある 生活を提供する。
(3)勇猛果敢なチャレンジ精神を発揮し、新事 業を新たな経営の柱とする。
という3ヵ年の中期計画「テイク・オフ・スリー」をスタートさせました。

■ライフサイクルサポートの展開
2000年に業界のトップブランドになるため、まずお客様に対してライフサイクルサポートをしていこうということを掲げました。業種別の事業部を中核として、高度成長期によく見られたソフト開発を中心としたフロー重視の事業より、高度な専門知識を生かした業務の再構築等のコンサルティングからシステム構築、運用保守に至るまでお手伝いさせていただくストック重視の事業を展開していく、ということです。この施策方向転換は顧客の固定化の推進を意味しています。

ただしライフサイクルでお客様をサポートするためには、いい仕事をして信頼を得ることが重要です。課題を捉える感性と提案力も大切ですが、ライフサイクル的な付き合いをしていなければ、結局その業界に対する知識が養われないばかりか、その会社が抱える課題を解決する発想も出てこないものです。

■社員に夢のある生活を提供
当社は得意領域である金融・カード関連会社への情報システムの構築や運用だけでなく、電子商取引やERPといった新たな事業領域にも積極的に取り組んでいます。ここで重要なのは、既存のビジネスと新規ビジネスを担当しているそれぞれの社員のモチベーションを、平等に高く維持することです。そこで、社員に夢のある生活を提供するための標語を2番目に掲げました。

これは非常に難しい課題です。新規事業は収益が必ずしも良くありませんが、仕事は面白い。一方、既存の事業は収益が良いのですが、仕事の面白みに欠ける。すると、既存の事業を担当している社員からは、必然的に不満が出てきます。

このような事業部間の温度差をうまく調整していくために、当社では新規事業のスタッフを公正に配置するための公募制を採用しております。この業界は特に顕著なのかもしれませんが、技術的に高い能力があるだけでなく、事業そのものが好きでなければ新しい分野を開拓することはできないのです。

最近大阪本社でいくつかのグループと話をして、自分の興味のあることや好きなことをやりたいというニーズが、若い社員に相当あると分かりました。仕事を楽しくするための方策に関して、社員にヒアリングをしたのですが、若い社員のおよそ半分が公募制を挙げていました。

優秀な人材を引き抜かれる側の管理者にとっては、苦言のひとつも呈したくなるのかもしれませんが、人材交流を繰り返し行うことで組織が活性化され、事業そのものに新しい血が入っていくという意味で、公募制は社員にとっても会社にとっても非常に有益な制度だと考えております。

■新規事業への進出
最後にテイク・オフ・スリー第3の標語として、全社をあげたアウトソーシング事業への一層の注力とインターネット、イントラネット、SETを中核としたEC事業、サイバービジネス事業の強化拡大を掲げています。この業界は新しい技術やシステムが次々と開発されているので、既存ビジネスだけでなく、新規ビジネスをいかに取り込んでいくかが非常に重要になってきます。

ただしERPやECをはじめとした、これまで取り組んだことのない新規事業に乗り出していますが、これまで培ってきた得意分野やお客様を犠牲にしてまで新規事業に投資をしていこうということではありません。既存の事業を伸ばしながら新規事業に積極的に取り組み、可能性があればそれも得意分野として伸ばしていけたら、と考えています。

当社は、みどり会をはじめとした金融・カード関連会社に対して、情報システムの構築や運用を長年お手伝いしてきたからこそ、現在の東洋情報システムを築くことができました。得意領域を構築してきたからこそ、さまざまな企業に対してお手伝いをさせていただき、それを繰り返してきたからこそ得意領域が強くなったのです。

この意味で、ERPやECといった異分野、新規事業に取り組むとき、これまでのノウハウがある程度生かせる部分と生かせない部分があります。その場合、新しく進出する領域に対して既に充分なノウハウを持っている企業と組み、そこで学びながら新規事業に取り組んでいくという手法があります。

■TISオリジンコンサルティングとスカイソフト
1997年12月に、オランダのフィリップス社の子会社であるオリジン社と組んで、合弁会社TISオリジンコンサルティングを設立し、ERPの分野に進出しました。

オリジン社はERP導入については、ヨーロッパやアメリカでかなりの実績を持っているグローバル企業です。TISオリジンコンサルティングはこれからの会社ですが、同社のメソドロジーを合弁企業の中に取り入れることができたので、ERP進出へのファーストステップとしてはまずまず成功したと考えています。

またECを含めたサイバービジネスに関しても、東京本社の入ったビルの中にある書店、文教堂と組んで書籍のインターネット販売を行う、スカイソフトという合弁会社をつくりました。スカイソフトでは、完全にインターネットだけで書籍の販売を行っています。小規模ではありますが、実際にサイバービジネスに取り組んだことで、システム面でやらなければならないことがたくさんあるということが分かりました。スカイソフトの運営は非常に大変ですが、少なくとも書籍のマーチャンダイジングについてのノウハウは勉強できていると考えています。

サイバービジネスに関しては、素晴らしい目的地に到達するための道標となる論理的な地図があるわけではありません。目的地に到達する間に何があるのか分らかない。しかし目的地には素晴らしいユートピアがあるから、とにかく一所懸命歩いていこう、というのが大勢の方々の意見なのではないでしょうか。

<21世紀の高度情報社会に向けて>
当社では品質強化と生産性向上を目的とした社内体質強化策を策定したことにより、品質の安定、組織の活性化、新規事業の開拓などの成果を生むことができました。そして当社は21世紀に向けて、「ビジョン21」という2000年4月以降の長期計画に乗り出し、新TISのビジョンと重点施策テーマの策定に乗り出しています。

以前は、食べるために生きたい、もっといい暮らしをしたいというビジョンを皆が共有していました。しかし現在の日本は、以前と比較すると著しく豊かになり、食べることに不自由しなくなったので、このようなビジョンを共有することはありません。

一方で、国家は不透明で混迷した国際社会の中を彷徨しています。このような時代には、企業も個人も21世紀に向けた明確なビジョンや夢を持たなければならないのです。もっとも事業を行うためのベースが何もなければ、ビジョンを策定しても本末転倒です。ビジョンが理屈だけで終わるのではなく、結果として実を伴わなければなりません。ソフトウェア業界は、数百年の歴史がある製造業と比較すると、30年程度の歴史しかありません。例えば標準化という面で製造業の世界と比べると、これからも充分進歩する余地があると思います。

いよいよ訪れる本格的な高度情報社会では、絶えまない技術革新の波やグローバル化、ネットワーク化といった潮流によって、企業を取り巻く環境は刻一刻とダイナミックに変化します。この情報の海で、ビジネスを確かな未来へと導くために、東洋情報システムはお客様と信頼のパートナーシップを結び、先進の技術とノウハウを活かして、21世紀の情報戦略推進をお手伝いして参りたいと考えています。

株式会社東洋情報システム
取締役社長

船木隆夫

■株式会社東洋情報システム 会社概要
設  立 1971年(昭和46年)
資 本 金 180億4,290万円
代 表 者 取締役社長船木隆夫(ふなき・たかお)
従業員数 2,018名(1998年4月現在)
売 上 高 672億円(1998年3月期)
事業内容 ◎システムオペレーションサービス
◎通信・ネットワークサービス
◎ソフトウェア開発サービス
◎ソリューションサービス
所 在 地 東京本社/103−0027 東京都中央区日本橋2−7−24 日本橋東洋ビル
大阪本社/564−0051 大阪府吹田市豊津町9−1 江坂東洋ビル