技術の深層
「コンピュータテレフォニーの標準API」

理事
エレクトロニックビジネス事業部
担当部長 菱沼千明

電話系とコンピュータ系を連携させようという試みは、日本でも80年代後半からPBXメーカ各社が「PBX・コンピュータ連動」の名称で推進していた。しかし、メーカごとに異なるインタフェースであったため、個別設計を要し、コスト負担が大きかったことなどから思うようにはいかなかったようである。それがここにきて急に注目され出したのは、世界的にも標準化が進み、これに従った製品が登場し始めたからである。
コンピュータ内のアプリケーションプログラムからPBXを制御できるようにした標準インタフェースは「テレフォニーAPI(ApplicationPro-grammingInterface)」と呼ばれる。その代表的な標準が「TAPI」と「TSAPI」である。
「TAPI」とはTelephonyAPIの略で、MicrosoftとIntelが1993年5月に共同で提案した。TAPIは現在バージョン2.1まで進んでいる。さらに、バージョン3.0のリリースが予定され、この中では、従来の電話系とコンピュータ系を統合するための標準インタフェースを提供しているだけでなく、インターネットなどのIPネットワーク上でのテレフォニーサービス「IPテレフォニー」もサポートしている。今後、インターネット電話によっても会話が可能になるなど、企業におけるIPテレフォニーの導入を促進するものとして期待されている。
一方、「TSAPI(TelephonyServiceAPI)」はノベルとAT&T(現ルーセントテクノロジーズ)が開発し、93年10月に仕様を提唱したものである。TSAPIは、クライアント/サーバ型に対応しており、CTIサーバ経由でPBXや電話機などを制御する構成をとっている。
さらに、標準APIの新しい流れとして、Javaの持つオブジェクトの再利用性を生かしたテレフォニー専用の「JTAPI(JavaTelephonyAPI)」がある。JTAPIはJavaアプリケーションまたはJavaアプレットから、TSAPIやTAPIを搭載したCTIサーバを介してPBXの回線を制御する。現在、サン、ノベル、IBM、ルーセントテクノロジーズ、ノーテルによって共同開発されている。
Javaの特徴により、ハードウェアプラットフォームの違いが吸収され、Java端末、ネットワークコンピュータも適用することができるようになるという。


<電話系とコンピュータ系のインタフェースの規定点>

<PBXとコンピュータの接続形態>