使われ続ける「見える化システム」を実現するためには、本当に必要な情報を、本当に必要な時に、本当に必要な部門(人)が見えるようにしていく必要があります。
「ERPのデータを有効活用したい」という話を良く耳にしますが、ERPに蓄積されているデータを単に表やグラフで表示するだけでは真の「見える化」にはなりません。ERPには売上などの財務KPIのデータが格納されています。しかし、ERPに格納されているデータは既に完了している「過去」のデータです。PDCAライフサイクルを回すためには、過去のデータではなく、途中のプロセス、たとえば営業中の案件数や生産数・在庫数といったデータを見ることが必要であり、このデータを見て、事業の方向性を確認する必要があります。この場合は、ERPデータと営業管理データと生産データのように、企業に散在している複数のデータを集めて「見える化」しないと、意味のある情報とはならないのです。
しかし、これらのデータが全てシステム化されているとは限りません。会計情報はシステム化されている場合が多いですが、営業情報は表計算ソフトなどで管理しているなど、現場で使われているデータはシステム化されていない場合もよく見られます。
次に、これらのデータを入力している子会社や拠点、部門に目を向けてみたいと思います。 本社や本部に報告するデータを作ることに多くの労力を費やしてしまい、本当に自分たちに必要な分析はできていない、という話をよく耳にします。
現場では、各担当者からチームマネージャ、さらには部門マネージャ、拠点のマネージャへと何段階もの報告が行われます。その際、組織の階層ごとにデータを集め、精査して、一つ上の階層に送るという作業が繰り返されることにより、本社や本部などのマネジメント層にデータが到達するまでに、1週間~1ヶ月の時間がかかってしまいます。組織が大きくなるほど、大きなマネジメントのタイムラグとなってしまいます。
さらに子会社や拠点、部門では、本社や本部への報告用とは別に、自部門の業務管理のために、独自の帳票を作って分析していることもよくあります。
本部用と部門独自用の管理をするということは、データの管理、分析、集計などの作業も二重化されているということです。
このように、企業の現場ではさまざまな報告業務や、自業務のPDCAのために、さまざまなデータ集計や分析を実施しています。しかも、多くの場合、これらの作業を手作業やExcelマクロを駆使して行っているため、部門間でタイミングや精度の問題で不整合が起こり、その都度人の目によりデータを精査しなくてはならない、ということが起こっているようです。
もっとスピーディーに効率的に社内のデータを活用する方法はないのでしょうか。次に、社内に点在するデータをどのように「情報」へと変えていけばよいかについてお話します。