マーケティング・コンサルタント :ルディー和子氏 ヒット商品が生まれにくい。顧客の行動が予測できない時代。
市場や顧客はどのように変化したのか。
マーケティングの最前線からそれらを検証し、CRMのあるべき姿を追う。
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| ルディー和子
Kazuko Rudy マーケティング・コンサルタント。 早稲田大学大学院商学研究科客員教授。 米国化粧品大手のエスティ・ローダー社マーケティングマネージャー、米Time誌のダイレクト・マーケティング本部長を経て、現在はウィトンアクトン代表。2003年、ダイレクトマーケティングにおける長年の功績に対して第一回ダイレクトマーケティング学会賞を受賞。 主な著書として『マーケティングは消費者に勝てるか?』(ダイヤモンド社)、『データベース・マーケティングの実際』(日経文庫)など多数。(社)日本ダイレクト・メール協会常務理事、日本ダイレクト・マーケティング学会理事。 ブログ:「明日のマーケティング」 http://newmktg.typepad.jp/blog/ |
近年、「消費者心理が変わった」「顧客の行動が予測できない」というお話をよく聞きます。しかし、顧客心理についての最近の発見のひとつに、「じつは消費者(人間)は変わっていない」というものがあります。
これは90年代以降の脳科学のめざましい発達によって解明されたことですが、消費者は単純な意志決定であれ、住宅や自動車などの高額商品を購入する際の重大な意志決定であれ、基本的には同じ思考を行っています。
つまり、理性的に論理を思考する部分と感情を司る部分が協調しなければ、人間の意志決定は行われないということが解りました。人間の脳には進化の歴史が大きく影響していて、いろいろな意味で何千年もの間変わっていない。意外かもしれませんが、人は常に理性を働かせて合理的に行動しているわけではないということです。。
今、欧米の金融サービス企業などが実践しているマーケティングですら、必ず“エモーション”という言葉が出てきます。直感的な感情による意志決定の傾向が強くなっていることから、感情に訴える販売促進の手法がよく採用されている。マーケティングの世界では、「人は感情的な生き物である」という基本に戻ったと言えるでしょう。
こうした販売促進の手法は、今、さまざまな分野で提供されています。少し前から流行している劇場型の店舗は、その最たる例です。また最近では、販売する商品に合った匂いを店舗内に流したり、人の五感を刺激するような商品を開発することが多いですね。
また、隠れた消費者ニーズを探る調査として、観察調査が主流となってきています。たとえば電器メーカーであれば、ユーザが洗濯機を使う様子を観察し、お客様にとって何が問題なのかを調べたりします。アイスクリームメーカーであれば、どういった場面でアイスクリームが実際に食べられているのかをつぶさに観察していく。
こうした手法が主流となったのは、やはり従来のアンケート調査では消費者心理が掴みきれないからで、観察調査はこれを補うものとして用いられています。
