情報誌・コラム|Publish・Column

ICTの潮流 / no.3
Progressive Office
 
2008年7月

プログレッシブオフィス時代のタイムマネジメント -  働き方で効率は左右される -

作家・評論家 :野村正樹氏経営の効率化からビジネスプロセスの改善、エンパワーメントの推進など、ワークスタイルは大きく変わり、モバイルセントレックスをはじめとするICTの導入で、オフィス環境も進化を遂げている。こうした時代にふさわしい、ビジネスパーソンのためのタイムマネジメントを考える。

超多忙時代の今こそ、タイムマネジメント改革が必要

作家・評論家 :野村正樹氏
野村正樹  Masaki Nomura
1944年生まれ。67年慶應義塾大学経済学部卒業後、サントリー(株)入社。営業部、宣伝部、マーケティング部を経て、95年に創立90周年事業のサントリーミュージアム「天保山」を開館し、広報部長に就任。50才を機に早期選択定年制度で退社し、独立。以後、著作活動に専念する。日本推理作家協会、日本ペンクラブ、日本文芸家協会会員。『嫌なことがあったら鉄道に乗ろう』(日経ビジネス人文庫)で交通図書賞を受賞。『のんびり山陰本線で行こう!』(東洋経済新報社)、『鉄道ダイ ヤに学ぶタイム・マネジメント』(講談社)、『1日4分割の仕事革命』(日経ビジネス人文庫)など著書多数。

ここ十数年でICT技術は飛躍的に進化し、業務プロセスの高効率化がもたらされました。また、2005年頃からのモバイルセントレックスの台頭やノンテリトリアルオフィスの導入など、オフィス環境とワークスタイルはすっかり様変わりしています。

人材の有効活用と業務の効率化のために導入されたICTツールですが、実際に働いているビジネスパーソンに目を向けると、慢性的なオーバーワークが蔓延しています。私はタイムマネジメントの著作や講演を行っている関係から、よくインタビューなどで「なぜオーバーワークは解決されないのですか」という質問を受けます。これには私なりに2つの答えを持っています。

まずひとつは、厳しいことを言うようですが、「これまでそれほど働いてこなかった」ということが挙げられると思います。激しい国際競争にさらされている日本企業は、ICTツールで生産性の向上を行うと同時に、コスト削減のために余剰人員の整理もしてきました。つまり限られた人材で競争を勝ち抜くためには、働く人の生産性をさらに上げるしかないのです。

もうひとつは、ビジネスパーソンの基礎体力が低下し、体力的に辛くなってきたというのも原因ではないでしょうか。特に若手の体力低下は著しいと聞きます。ICTの導入によって、環境こそ効率的に整備されましたが、まだまだ無駄が多く、生産性を上げるための業務に体力が追いついていないというのが現状ではないでしょうか。私はサラリーマンから専業作家に転身しましたが、そこで強く感じたのは、自ら生産性を上げなければ生き残れないということです。1日24時間は誰にでも平等に与えられた時間で、それをどうタイムマネジメントするかが差を生みます。特にビジネスリーダーには、今後、タイムマネジメント力が強く問われていくでしょう。

コラム「すぐに役立つ、1日4分割法」