情報誌・コラム|Publish・Column

ICTの潮流 / no.14
クラウド基盤
 
2011年10月

SOFTWARE POWER:NTT ソフトウェアの技術力、開発力を集約し「Biz ホスティング ベーシック」商用化に貢献

NTTソフトウェア株式会社 事業推進本部 ネットワークサービス・ソリューション事業グループ
 オペレーションサービス管理事業ユニット 主幹エンジニア
 梅田 信彦( Nobuhiko Umeda)

NTTコミュニケーションズ株式会社様(以下、NTT Com)が提供する「Bizホスティング ベーシック」(以下「BHB」)は、最先端の仮想化技術「KVM」を採用し、高品質のクラウド基盤サービスとして存在感を発揮している。NTTソフトウェアが参画した「BHB」開発では、高いレベルの技術力、プロジェクトマネジメント力が求められた。KVM技術検証チーム、オペレーションシステム開発チームを統率した梅田信彦に、このプロジェクトの成功要因を聞いた。

SOFTWARE POWER

短期の開発だからこそ、要件を明確に聞き出す

「BHB」の商用プログラムの開発に際して、NTTソフトウェアからは仮想化技術「KVM」の担当(基盤システム事業ユニット)、そしてオペレーションシステム担当(オペレーションサービス管理事業ユニット)の2チーム体制で、2月にプロジェクトチームを立ち上げました。私が当社全体のプロジェクトマネジメントを行い、開発2チームには、技術者陣の層の厚さもあり、経験、技術力ともに申し分ないメンバーが揃いました。この技術者陣のレベルの高さが、実質的に2か月という短期間でのプロジェクト成功を後押ししてくれたと考えています。

NTTソフトウェア株式会社:梅田 信彦

今回の開発プロジェクトにおける、私たちが達成すべき最大のミッションは、「『BHB 』を4月のサービスインに間に合わせること」でした。そのためには、個々のメンバーの力をチームの力としてまとめ、高いパフォーマンスを出していく必要がありました。例えば、サービスインに向けた課題の早期解決に向け、NTT Com様にご協力いただき、要件 の背景や目的を改めてヒアリングさせていただいた上で、実現方式や機能の優先順位付けをご提案しながら精査したことや、メンバーひとりひとりの作業進捗や中間成果物が、他メンバーに影響を与えたり、手戻りを発生させることもなく、常に高いパフォーマンスを発揮し続けられるよう、コントロールし続けました。

何より大きな技術的な課題は、仮想化技術として、当時、Linux系の主流であった「Xen」ではなく、最先端の仮想化技術「KVM」を採用したことでした。「KVM」は、まったく新しい技術のため、問題を解決する情報源はどこにもなく、壁があったら、自分たちで手探りしながら進んでいくしかありません。地道ですが丁寧に、時には「KVM」のソースを見て検証していきました。

このような失敗の許されないプロジェクトの運営技術と、仮想化技術や分散処理技術に関する地道な検証姿勢を、NTT Com様から評価していただきました。

「BHB」商用サービスが開始されてからも、お客様満足度の向上とビジネス拡大のため、機能追加が必要となります。その際、NTT Com様のサービスは高品質、かつ安定した供給が当然であり、さらにスピードが求められます。過去の例では、オンライン申し込み機能を超短期間で追加開発したこともあったりと、現在もスピード重視の改善開発が続いています。高品質かつ、スピードを意識して優位性を勝ち得る。それは「つながって当たり前」がDNAにあるNTTマインドであり、NTT Com様と当社が共通して持ち続けている不変の価値観だと考えています。

開発環境クラウド「@depot」をフル活用

このプロジェクトでは拠点が社内に2ヶ所、お客様など密なコミュニケーションを要するセクションが2ヶ所。合計4ヶ所で連携していく必要があったため、コミュニケーションロスの削減も重要課題になりました。

そこで活躍したのが、社内で運用している開発環境クラウド「@depot」です。これは、分散した開発現場でも効率を下げることなくプロジェクトを推進するための仕組みで、ソースの世代管理、情報共有、ファイル共有、バグ・トラッキング・システムなどの機能を備えています。私は、この「@depot」をフルに活用し、課題が発生するごとに「誰の担当なのか」を明確にするようにしました。つまり、メンバーの中で「今、喫緊の課題を抱えているのは誰か」を可視化したのです。課題の遂行にはボトルネックを発見し、その都度解消していくことが欠かせません。マネージャーの視点から見ても、負担がかかっているのは誰なのかというポイントが瞬時に把握できます。リソースの最適な配分を行うツールとしても有用だったのです。

今後も、NTT Com様とのパートナーシップに重きを置きつつ、クラウドサービスに力を注いでいくことは変わりません。さらにNTTソフトウェアとして、「@depot」など開発環境クラウドの商品化も視野に入れ、クラウド構築の基盤技術の研究・開発に力を入れて参ります。たとえば「DaaS(Desktop as a Service)」です。今後、デスクトップのクラウド化がひとつの潮流になっていくと予想し、社内利用しながらノウハウを蓄積しています。新しい分野に踏み込み続けるのは、開発のオファーがあってから着手するようでは、スピーディーな開発は難しいからです。常に最先端に触れ、トライを繰り返す。その積み重ねに当社の開発力の源泉があります。

プロジェクトの成功に向けたリスクへの対策

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