情報誌・コラム|Publish・Column

ICTの潮流 / no.14
クラウド基盤
 
2011年10月

SOLUTION CASE:先端の仮想化技術を活用し、安価かつセキュアな環境での利用を実現 クラウドサービスの最先端を行く「Bizホスティング ベーシック」

NTTコミュニケーションズ株式会社様

NTTコミュニケーションズ株式会社様(以下、NTT Com)は、本格的なクラウド時代の到来に際し、新たなサービス基盤を構築すべく、クラウド型仮想ホスティングサービス「Bizホスティング ベーシック」(以下「BHB」)を開発し、2010年4月から提供しています。国内外の競合サービスがひしめくクラウド市場で、「BHB」はどのような優位性を発揮しているのでしょうか。そして、その開発にNTTソフトウェアはどのように貢献できたのでしょうか。NTTCom の開発・サービス企画のご担当者に伺いました。

SOLUTION CASE

PHASE1 開発へのアプローチ:ネットワーク基盤に強みを持つNTT Com が新たなクラウド基盤サービスの構築へ

エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会:(中央)得能 聡氏、(左)上野 裕史氏、(右)田中 寿一氏

「BHB」は、仮想化技術を活用したクラウド型ホスティングサービスです。NTT Com のデータセンターに設置されたサーバーリソースをネットワーク経由で利用することで、高品質かつ安価なサービス提供を実現しています。これまで法人向けのデータセンター/ホスティングサービスを安定的に運用してきたNTT Com ですが、クラウド市場が世界的に活発化する中、新たなクラウド基盤サービスの開発を目指すことになりました。「BHB」サービス企画の上野氏は、その背景を次のように説明します。

「東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)、DR(災害復旧)といったキーワードが特に注目されていることからもわかるように、持続的な発展に向け、企業が解決すべき経営課題は、今、山積しています。コスト削減、アウトソーシングの活用による運用負荷の低減を迫られる中、必要なときに必要なだけ利用できるクラウドコンピューティングへの期待が高まってきています。そのような状況を鑑み、仮想サーバーを迅速に提供し、さらに弊社が提供するArcstar Universal Oneなどのセキュアなネットワークサービスと一体で提供するクラウド基盤サービスの開発に着手しました。それが『BHB』なのです」(クラウドサービス部 ホスティング&プラットフォームサービス部門上野裕史氏)

日本No.1のユーザー数を誇るサービスプロバイダ「OCN」の運用実績からもわかるように、NTT Comの優位性の一つはネットワークにあります。「BHB」はVPNと直結したネットワーク一体提供を図り、セキュアなクラウド環境を目指しました。また、NTT Comは豊富なホスティング運用実績があり、そのノウハウによってユーザー個々の、サーバーの運用や保守、管理といった負荷を低減できます。このように、クラウドサービスをワンストップで提供できる運用力がNTT Comにはあるのです。

「決して途切れない、品質の高いネットワークを常に提供していくこと、それは当然おさえておくべきもの。キャリアであるNTTグループの一員として非常に厳しい品質管理のマインドが私たちのDNAにはあります。さらに、構築・接続、運用保守、セキュリティを個別にクラウド基盤に積み上げるのではなくトータルマネジメントすることが可能です。このような背景を踏まえ、私たちは『BHB』の開発に臨みました」(上野氏)

PHASE2 ソリューションの開発:最先端の仮想化技術「KVM」を採用し、商用サービスに向けてNTTソフトウェアと協

「BHB」開発プロジェクトでは、ベータテスト、無償トライアルサービスというステップを踏み、同時進行で商用サービスの開発が進められました。2009 年10月~2010 年3月まで、半年に渡ったトライアルでは、「BHB」の需要の検証、着目される機能の洗い出しが行われました。NTTソフトウェアは、このトライアルから参画し、開発の一端を担っていくことになります。

「NTTソフトウェアには、システムが制御する装置の調査から携わっていただきました。行き届いたリサーチのおかげで、トライアルはスピーディーかつスムーズに進められています。このリサーチは、商用サービス版のプログラム開発に際し、制御できる機能の把握にも役立ちました」(クラウドサービス部 ホスティング&プラットフォームサービス部門 主査 得能聡氏)

商用プログラムの開発にあたっては、コアとなる仮想化技術の選定が重要なポイントになります。NTT Com は、Linux の標準技術として組み込まれており、安定したパフォーマンスが見込める「KVM(*1)」を選定しました。しかし、当時KVM は商用サービスへの採用例が世界でも数例しかない状況であり、さらに、商用サービス開始までの開発期間は3 か月という短期間でした。NTTソフトウェアを開発パートナーに選定したのは、先端的な技術に踏み込んでいく姿勢がポイントだった、と開発担当者たちは語ります。

「極めて短期間での開発でしたが、スムーズに進められたのは、NTTソフトウェアとの密な連携があってこそ。同社は仮想化・分散処理技術に関する知見があり、多くの開発実績がありました」(得能氏)

「複数のベンダーが候補に挙がる中、パートナーに決めたのは、NTTソフトウェアの未知の技術に積極的に取り組むマインドに着目したからです。私たちにとっても初めての採用になる『KVM』ですが、NTTソフトウェアは負荷の検証からシステムの構築まで、検証、調査を非常にきめ細かく進めてくださいました」(クラウドサービス部 ホスティング&プラットフォームサービス部門 田中寿一氏)

トライアルで得たノウハウを分析し、商用サービスの開発ベースに乗せるプロセスを経て、2010年4月30日、無事に商用サービスの提供がスタートしました。

「Bizホスティング ベーシック」サービス概要

【用語解説】

*1 KVM:Kernel-Based Virtual Machine
Linux上で仮想化環境を利用するためのソフトウェア。Linuxカーネルに仮想マシンモニタ(VMM:VirtualMachineMonitor)を実装し、仮想的なコンピュータの上で複数のOSを並列に動作できる。
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