概要

抜群のブランド知名度を誇る戸建て住宅「ヘーベルハウス」のハウスメーカー、旭化成ホームズ株式会社をグループ会社に持つ旭化成不動産レジデンス株式会社は、都市の住まいと資産のコンサルティングを請け負う総合不動産会社である。


今回、都市型分譲マンションATLASシリーズを市場に供給している開発営業本部 販売部において、「Salesforce」による顧客情報の一元化が図られた。


NTTソフトウェアの提供する「SkyOnDemand」は、そのデータベースに大手不動産ポータルサイトからの資料請求情報を、日々自動で連携し販売業務を支えている。

課題

新しい販売形態、お客様ニーズに対応するには顧客情報の管理・活用が課題に

2011年10月、新たな総合不動産会社としてスタートを切った旭化成不動産レジデンス株式会社の中でも、開発営業本部は主に都市型分譲マンションを手掛けている。


今回のSalesforceとSkyOnDemandの導入はずばり販売力強化が目的だと即答されたのは、開発営業本部 販売部課長の市村氏。自社ブランドのマンションを持ち、お客様に直販する体制になって、既存の顧客管理には問題があると感じていたと言う。


「直販化にシフトし、より早くお客様の望まれる物件を引き渡し、お客様満足度を上げることを望まれている。また、不動産情報ポータルサイトの登場により物件探しもずいぶん様変わりしました。お客様は大手の不動産ポータルサイトから、希望するエリアで、同時に複数の資料請求をなさっている。売主、お客様、両方のニーズに対応するためには、物件ごとに管理していた顧客情報を、横断的に一元化する必要性を感じていました。」
(市村氏)


ポータルサイトに依頼して、購入目的をきちんと入れてもらうようにしているが、そうして取得した問い合わせ情報も、物件ごとの管理に縛られていたため、お客様が実際にどの様な購買行動を起こしているのか把握できずにいた。


「お問い合わせ情報からお客様を分析できないかという思いがありました」
と市村氏は振り返る。


またデータ仕様が現場で異なることから「分析シートが共通化できない」「手計算で週報・顧客分析表を作成することによる残業増」など円滑な業務遂行のボトルネックとなっていた。


「使っていた顧客管理ソフトは、同時に複数担当が入力することができませんでした。1日に新規来場者が200件を超えるような大型物件の場合、そのデータ入力に1人が掛かりっきりになっていたのです」
と語るのは総務部事業戦略室の金塚氏。


個人情報保護の観点からも仕事環境の観点からも、いますぐにシステム改善を迫られていたことは想像に難くない。

課題と解決

解決へのアプローチ

現場が使いやすく、お客様により良いサービスを提供するためにクラウド活用を選択

「リスクやコストの低減、業務の改善などを求めるのは当然として、顧客データベースの最終的な目標は、お客様により良いサービスを提供すること。それと現場が使いやすいものにすること。この2点が今回一番注力した点です。」 (市村氏)


市村氏が思い描くデータベースの理想に最適と思われたのが、NTTソフトウェア提案のSalesforceをベースとした顧客管理だった。当初は社内サーバでのデータベース運用を検討したが、費用対効果に見合わない提案ばかりで断念。


「いろいろな人に話を聞いて、相談はしたけれど、自分が売りたいものしか持ってこなかった。NTTソフトウェアだけがこちらの望むものを汲んで提案してくれた。それはとても評価が高かったです。」
(市村氏)


しかしマンション販売に関わる顧客管理を外部クラウドに預けるという部分は、社内規定に留まらずグループ全体のセキュリティーポリシーに抵触するため、旭化成グループ全社を管理する情報システム部の了解を得るまでに、丸3ヶ月を要した。


並行してSalesforceによる顧客データベース検討が進められ、 「今回のデータベースを整備する上で考えたことは、お客様ありきで情報を関連づけていく、1人のお客様が複数の物件を購入するという場合でもきちんと対応できる仕組みにすることです。当社の場合、投資でマンションを買う方は現金の場合が多く、短期間で売買されます。一人のお客様が複数物件を検討しているものを物件ごとに管理をしていたらとても仕事がやりにくかった。常々、お客様の側に立った情報整理が欲しかったのです。」 という市村氏のビジョンが反映されていくことになる。

ソリューションとその成果

クラウドのメリットを実感。従来の1/3の期間とコストで顧客データベースを実現

データベースを整備するならこうしたいという概念的なイメージを持っていた市村氏とNTTソフトウェアの技術者とが、現場管理の顧客情報を頼りに、Salesforceのテスト環境でそのアイデアを形にしていった。「こういう機能が欲しいのだけど」と言うと、NTTソフトウェアは即対応し、打ち合せの翌週には要望がそのまま反映されるという開発スピードだった。


「情報処理の要求をびっしり決めた仕様書はとくに無く、その場その場での要望がどんどん使えるものとして実現していきました。」
(市村氏)


Salesforceの利点は、導入企業のニーズをダイレクトに反映できる、とても柔軟に対応できるという点。アジャイル開発に向いている、これがクラウド環境の情報系サービスで優れている点であり、一番の強みとも言えるだろう。


市村氏は 「現場の思いが素直に反映できるというのはものすごいこと」 だと評価する。


「同じことを自社システムの中でやろうとしたら、要件定義だけで1年ぐらいかかります。通常のデータベースを作る1/3の期間とコストで収まったと感じています。しかもクラウドなのでシステム管理に割く人員も必要ない」
(市村氏)


こうして当初に描いていた顧客管理の一元化を、システム導入によって実現した。しかし、開発から運用に移行する第1フェーズでは、まだ大手不動産情報ポータルサイトから提供される新規の問い合わせをSalesforceに手作業で入力するプロセスが残されていた。また現場での運用が始まる4月までの3ヶ月で3,000件もの新規お客様情報のデータが溜まってしまっていた。


こうしてSkyOnDemandの持つ機能によって、他の不動産会社と販売連携した後の顧客情報をSalesforceに一元化できる仕組みも実現し、2014年2月までの第2フェーズでは、大手不動産情報ポータルサイトから新規の資料請求情報を顧客データベースへ自動で連携する精度の高い顧客データベース運用を実現した。

システム概要図

今後の展開

クラウドをさらに活用し、お客様のためのマンション販売を目指す

「Salesforceの柔軟性とSkyOnDemandの機能性、顧客データベースを支える2つの仕組みを入れてみて、クラウドサービスは使いやすいと感じています。」
(市村氏)


いまも現場から「項目を増やしたい」などの意見があがるが、それは市村氏がすべて対応できる範囲とのこと。


「エクセルを使えるくらいの知識があれば、インターフェイスを改善することもある程度はできます。システム担当者がいなくてもシステムが構築できるというのがいいところ。」
と市村氏は語る。


願っていた顧客データベースによって、 「複数物件への問い合わせや来場回数、契約状況がすぐに把握できるようになった。週報や分析表なども信頼できる基準ができた。事務所やマンションギャラリーなどどこからでも情報確認が出来る上、OSの変更による影響をいっさい受けないこともクラウドの恩恵に挙げられるでしょう。今後データベースを活用して行く中で、もっと使いこなしていきたいと思います。」 と市村氏。


金塚氏からは 「物件紹介ページや資料請求フォーム、帳票出力なども一元化できることも分かりました。とくに問い合わせフォームについてはSalesforce基点でいろいろ応用が効きそうなので、早く組み込んで欲しいと思っています」 と切望された。


都市において経済や政策などに敏感に反応するマンション市場。そのなかで必要とされる顧客データベースは単に管理のためではなくお客様のため。これを活かしていける販売部でありたいという市村氏の願いに応えられるよう、NTTソフトウェアらしい提案を今後も続けていく。

旭化成不動産レジデンス株式会社様:市村 哲也 氏(左)、金塚 未弥子 氏(右)

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1994年1月
事業概要 都市開発に関する企画、調査、設計、監理、立案及び宅地造成、不動産の販売代理、不動産の賃貸借・管理、不動産の仲介・売買、不動産の保守・管理・鑑定、不動産に関するコンサルティング、建築・土木・造園等の工事の設計、工事監理及び請負、損害保険代理事業 など
URL http://www.afr-web.co.jp/