概要

文教大学をはじめ、付属の中学校・高等学校、小学校、幼稚園などの学校を展開する学校法人文教大学学園(以下、学園)。1927年の創立より数え、2017年に創立90周年を迎えるにあたり、教育内容の一層の充実や各校舎のリニューアルなどをめざして財政基盤の強化に取り組んでいる。そんな学園の重要な経営戦略の1つが、本格的な寄附金募集体制の確立である。

文教大学学園 創立90周年記念事業基金

学園では、2012年9月1日の「文教大学学園創立90周年記念事業募金」の開始をめざし、新たに募金室を設置。寄附を希望される多くの方々が、ホー ムページからクレジットカード決済で、簡単に手続きできる仕組み作りに乗り出した。この寄附金管理ソリューションの実現を支えたのが、NTTソフトウェアの「SkyOnDemand」による重要な情報のクラウド連携だった。

課題

教育力の充実や校舎リニューアルをめざし、学園初となる本格的な寄附金募集に着手

日本の教育機関を取り巻く環境の大きな変化や18歳人口の急激な減少などを背景に、学園は教育力の充実、校舎のリニューアル、組織・制度の改革を目標とする学園戦略(第一次中期経営計画-2009~2012-)を策定、実施した。経営計画において、喫緊の課題に挙げられたのが強固な財政基礎の確立だ。この実現に向け、本格的な寄附金事業の展開がスタートし、2012年4月には事業の核となる組織として募金室が開設された。


「寄附金事業が目標に挙げられる以前、近年は本格的な募集活動をほとんど行っていませんでした。唯一、創立70周年の際、八ヶ岳寮の建設を目的に積極的な寄附金募集を行ったくらいです。」
と語るのは、経営企画局 校友会室・募金室課長代行の大塚氏だ。学園では、本格的な寄附金事業を展開するにあたり、考えられる募集方法を取り上げ、検討したという。その中で、最初に取り組むことになったのが、ホームページ上で寄附金を募り、クレジットカードで決済できる仕組み作りである。

文教大学 (左)湘南キャンパス、(右)越谷キャンパス

解決へのアプローチ

ホームページで寄附を募り、クレジットカード決済。しかし、データ連携ができないという問題発生

寄附金管理ソリューションの実現に向け、募金室はまずWeb上でクレジットカード決済を代行してくれる業者との契約を進め、システムの準備を進めた。その一方で、寄附者に関する様々な情報を一元管理するため、クラウド型の顧客管理サービス『Salesforce』を採用。これで学園のホームページ上で寄附金を受け付け、寄附者がクレジットカードで決済ができるシステムの設計図は一応完成した。しかし、寄附者の情報とクレジットカード決済の情報が自動連携できないことが判明した。


「このシステム構成では、寄附者の寄附金額・氏名・生年月日などの情報はクレジットカード決済代行サービス側に登録されるだけで、その情報を管理する『Salesforce』とはデータ連携されないことが分かったのです。」
と語ってくれたのは、経営企画局 校友会室・募金室の八木氏だ。


「寄附金という重要な情報を扱う以上、ミスが起きやすい人による作業は避けたかったです。」


データ連携の方法を探し始めた募金室。しかし、決め手とな方法を探し出せないでいた。そんな時、『Salesforce』関連のイベントで接点があったNTTソフトウェアから連絡が入った。これが最終的にクレジットカード決済と『Salesforce』のデータ連携を『SkyOnDemand』で行う寄附金管理ソリューション実現への第一歩となった。

ソリューションとその成果

信頼性の高いデータ連携を、コストを抑え、短期間で実現できる『SkyOnDemand』

NTTソフトウェアは、『Salesforce』をはじめ、企業や組織内のデータベースなどとの連携アダプタ類、そしてクラウド型データ連携サービス『SkyOnDemand』を取り扱っていた。正に、学園が抱える問題の最適解をNTTソフトウェアより提示されたことになる。


「これは使えると直感し、『SkyOnDemand』の検討を開始しました。念のため、似たような製品・サービスを再度探してみましたが、ありませんでした。また、短期間でシステム導入と利用開始ができるクラウドである点も、重要な選定ポイントです。」
(八木氏)


『SkyOnDemand』を採用する・しないの二者択一で検討を進め、2012年7月、最終的な導入が決定された。ホームページを使った寄附金の募集開始目標である2012年9月まで、すでに2ヵ月を切っていた。


「今回の寄附金管理ソリューションの予算は限られており、導入決定から利用開始までが非常に短期間という厳しい条件ながら、NTTソフトウェアは対応してくれました。しかし、『SkyOnDemand』を選んだ理由は低コスト・短納期だけではありません。それは、寄附金の管理における安全性や確実性を担保できるシステムだと、確信できたからです。」


データ連携にミスが出ないことを最優先にシステムの構築を進め、何度もテストを実施。万一、トラブルが発生した場合、寄附者にも学園管理者にも“何が起きているか・どう対応すべきか”を分かりやすく伝える仕組みを組み込んでいる。


「重要な寄附金を取り扱う以上、ここだけは譲れませんでした。また、トラブルが発生した場合、システムに詳しくない寄附者や私たちにも理解でき、安心を与えるような表示案内を心がけてもらいました。」
(大塚氏)

寄附金管理システム 概要図

今後の展開

今後のデータ活用に『SkyOnDemand』の機能、NTTソフトウェアの幅広いノウハウに期待

NTTソフトウェアは、既存の卒業生などのデータと『Salesforce』を連携させる方法を事前にレクチャしていた。八木氏はその手順で操作を行い、データ連携を1人で完了させたという。NTTソフトウェアでは、ユーザ側がやりたいことを簡単にできるような状態で『SkyOnDemand』を提供している。新しい作業を行うたびに、NTTソフトウェアに問い合わせる必要があるようであれば、使いやすい利便性の高いクラウドサービスと言えないという考えからだ。
さらに八木氏は、コンビニ決済サービスとのデータ連携を1人で作り上げた。コンビニ決済代行サービス会社から決済情報をCSV形式でダウンロードし、『SkyOnDemand』の管理画面で『Salesforce』へアップロードし、データを連携させる仕組みだ。


「『SkyOnDemand』のトリガー機能の1つを利用し、簡単に作れました。プログラミングなどは行っていません。」
(八木氏)


『SkyOnDemand』の導入決定から約2ヵ月後の2012年9月、「文教大学学園創立90周年記念事業募金」がリリースされ、ホームページでの寄附金募集とクレジットカード決済がスタートした。今回のリリースから間もない時期の取材だったため、具体的な反響などを聞くことができなかった。しかし、今後の取り組みとして、大塚氏はこう語ってくれた。


「まず、今回の90周年記念事業募金の広報です。学園の方向性や寄附金募集に関する情報を多くの方々にお知らせする必要があります。その上で、卒業生やご父母、教職員、そして様々な同窓会や父母会など、学園に関わるすべての人たちを1つにまとめ、学園力の強化を図ります。こうした活動を通じ、今まで以上に多くの情報が私たちの元に集まり、その活用が重要になってくるはずです。今後も、『SkyOnDemand』によるデータ連携やNTTソフトウェアのシステムに関する幅広いノウハウに期待します。」
(大塚氏)

お客様プロフィール

学校法人 文教大学学園
設立 1927年10月17日
学校種別 私立
設置学校 文教大学、文教大学付属中学校・高等学校、文教大学付属小学 校、文教大学付属幼稚園
入学者数 2668人(2012年5月1日時点)
建学の精神・理念 人間愛
建学の精神である「人間愛」の精神の上に学習者一人ひとりの個性を大切に、「ていねいに、たくましく育てる」をキーフレーズとした教育を実施。大学においては、教職課程を充実させており、教員免許の取得が可能。人間性豊かな教員を多数輩出している。
URL http://www.bunkyo.ac.jp

※2012年1月現在