概要

民間/公共の基幹業務プロセスにおいて、トータルかつフレキシブルなソリューションを提供するアウトソーサ『富士ゼロックスシステムサービス株式会社』。その民間領域サービスの一つに、多店舗経営企業や大手量販店など流通向けの店舗支援ソリューションがある。今回は、その中のメニュー「ショップリサーチ」というCS調査分野で、新たなサービスの枠を広げるテキストマイニングツール( Knowledgeocean(R) )の活用事例をご紹介したい。

課題

導入までの背景(サービス拡大の発想)

店舗支援ソリューションの「ショップリサーチ」は、大手量販店など全国展開する多店舗経営の顧客に向けた店舗の調査・分析サービスである。これは、富士ゼロックスシステムサービス(以下、FXSS)がコンサルティング会社・調査会社とともに共同開発した新メニューで、具体的には、調査会社が収集したデータをFXSSが解析、コンサルティング会社と協力してレポートを作成し、定量データや分析レポートをフィードバックするもの。開始当初は紙ベースでの報告書のみだったが、2年前からはFXSSが開発したWebアプリケーションを通じて、約3,500のチェーン店舗へリアルタイムな個別レポート配信を行っている。


この業務では、アンケート調査の定量データ解析(クロス集計やサマリーなど)が中心であり、テキスト情報の部分は個店別の調査結果として、そのまま保存されていた。そこで、FXSSの担当者は定量データに加えて定性データの分析を行うことで、より具体的かつ総合的な店舗・業務改善への施策につながるのではないかと発想し、そのためにはテキストマイニングツールの活用が有効ではないかと考えたことが、今回の Knowledgeocean(R) 導入のきっかけである。

導入までの背景

解決へのアプローチ

テキストマイニングの特徴と選択のポイント

「テキストマイニングは以前から興味があった分野です。ただ、こういうソフトを導入して失敗している企業もあると聞いています。結局、中身をしっかり理解できないと使いこなせない性質のソフトだと思うのです」(ソリューションデベロップメント部テクニカルディレクター・池内氏)。一口にテキストマイニングといっても各社さまざまな特徴がある。池内氏は展示会やセミナーに通い、多くの情報収集に努めたが、結局、一番知りたい分析ロジックはブラックボックスのままで、目的に対して分析結果を導き出すまでのプロセスは意外に見えてこなかったという。FXSSがツールの特徴として重要視したのは、

(1) 分析結果が視覚的にわかりやすい
(2) Webアプリで複数ユーザーが同時に処理できる
(3) 作業の操作性(GUI)が明解でオペレーターによる分析が可能


この3点である。そこで、さまざまな角度からの分析を得意としグラフィカルなインターフェイスをもつ Knowledgeocean(R) が候補として上げられることとなった。


しかしながら、説明だけではまだ具体的な活用イメージまでは描けなかったため、第1ステップとして「プレ分析サービス」を利用。そこでの手応えをもとに、続いて実データを用いた「分析サービス」を発注し、その過程で Knowledgeocean(R) での観点の見つけ方や分析の方法など、NTTソフトウェアの分析エキスパートとともに十分に議論の上、見い出すというステップを踏んでいる。FXSSではこの2度にわたる分析作業を通して、事前にソフトの使い勝手や分析のプロセスが見えたこと、それが導入の決め手となっている。「テキストマイニングはマニュアルや本を読んでもやり方はなかなか理解できないんです。観点や仮説を導き出す手法は、やはり経験がものをいう。その点、NTTソフトウェアは『分析ノウハウ』『実績に基づく経験』さらに『他ソフトにも精通』など、高く評価できました。導入後も予想通りの結果を出しています」(池内氏)。加えて、何かあったときの対応の良さは今も変わらず続いており、それらが総合的に「やりやすさ」に繋がっているという。

事前に分析プロセスを把握することができた(本格導入までのステップ)

▲ 事前に分析プロセスを把握することができた(本格導入までのステップ)

ソリューションとその成果

具体的な活用方法と、その評価

では、FXSSは、どのようなケースに対し、どんな使い方で成果を上げているのか、全国展開する多店舗チェーンA社の利用者アンケート調査分析を例に見てみたい。

成果(1) 経験値を数値化する(クラスタリング/コンセプト抽出)
まず、クラスタリングを使って話題ごとに振り分け、その後、コンセプト抽出作業を行いキーワードから傾向を導き出す。たとえば、利用客が店員の挨拶や店の清掃などを重要視していることは、現場を知るA社には予想通りの結果であり、目新しいものではなかった。しかし、これまで感覚的にしか把握できていなかったものが、きちんとお客様の数や属性で裏付けることができたと評価をいただいている。

経験値を数値化する(クラスタリング/コンセプト抽出)


成果(2) 「なぜ?」の中身を探る(クラスタリング/コンセプト共起)
コンセプト共起を使うと、関連性のあるワードが段階的に線で結ばれグラフィカルに見ることができ、その中身を参照したり追跡することができる。たとえば、A社の想定問答のアンケートでは「トイレ」の項目は点数が高かったにもかかわらず、印象評価でみると低い結果に。そこでそのギャップの謎を探るため、共起分析してみると、想定問答では決して見えない「男女共同である」「ドアの隙間が大きい」など想像を超えた理由を導き出すことができた。

「なぜ?」の中身を探る(クラスタリング/コンセプト共起)


成果(3) ニッチなキーワードを発見する(コンセプト共起)
また、企画構想やアイディア出しにも共起が役立っている。グラフィカルに配置されたキーワードを眺めながら、関係性を変えたり、中を読んでいくうちに、経験値では見えなかった何かに気づく瞬間がある。今回も、A社にとって有益なのは「少数でも重要な意見」だと気づきご提案している。このように、アンケート結果に隠れた貴重な部分も引き出すことができる。

ニッチなキーワードを発見する(コンセプト共起)


一方、使い勝手という点からみた評価はどうだろうか。

●NTTソフトウェアの活用支援(サポート力)
ソフトは単純だが、観点をどう導き出すか、仮設をどう立てるかなどが使いこなすためには必須である。今回は導入前に行った2度の分析で、その辺りの問題がしっかり解決(サポート)されていたため、導入後、期待通りのアウトプットにつながっている。

●Webアプリなど、連動可能なソフトの拡張性
将来的にはクローズドで分析するだけでなく、Webアプリと連動しスピーディに配信するなどを考えているため、拡張性は重要。TXTやCSV形式との連携可能な Knowledgeocean(R) は、表計算ソフト等へもシームレスに分析結果を活用可能など汎用性の高さも評価されている。

●〈辞書ツール〉の活用で、分析作業の軽減・オペレータへの分業
ニッチなキーワードを発見する(コンセプト共起)
ユーザー辞書を複数設定できるため、顧客別の微妙な言葉のニュアンスに対応。またFXSSでは辞書機能を活用し、分析作業をオペレータに移行することにも成功している。

今後の展開

プロジェクトの総合評価

今回、テキストマイニングが自分たちの仕事に本当に役立つのか、そのブラックボックスが明確になることが、一番の導入への決め手となったのは言うまでもない。それゆえ、ベンダーの持つ経験値やサポート力が大きな意味を持ち、NTTソフトウェアはその点で高く評価をいただいた。「分析結果をもとに調査設計や顧客満足度調査などにも活用したい。マーケティング効果が可視化できれば、改善提案から新規サービスの企画までこれまでにない発想ができると考えています」(池内氏)。


今後も更なる Knowledgeocean(R) の活躍が期待される。

コンセプト共起の画面と、ノートパソコンでも稼動可能な軽妙な操作性 コンセプト共起の画面と、ノートパソコンでも稼動可能な軽妙な操作性

▲ コンセプト共起の画面と、ノートパソコンでも稼動可能な軽妙な操作性 (2007年3月)

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1988年(昭和63年)
事業概要 民間ソリューション(店舗支援ソリューション、ドキュメントフルアウトソーシングサービス、コンピュータプリンティングサービス、eマーケティング支援サービス、電子帳票システム)ほか
資本金 2億円(授権資本金4億円)
従業員数 1,202名(2005年3月末現在)
URL http://www.fxss.co.jp/