概要

株式会社伊予銀行
伊予銀行は、創業134年の歴史ある地方銀行。愛媛県を中心とする瀬戸内圏(九州、中国、四国)のほか、東京、近畿、東海、そして海外にも店舗網を展開する。四国に本社を置く地銀ではトップの資産規模と利益水準を誇り、預金・貸出残高が15連続で増加するなど、健全性と成長性を兼ね備えた銀行だ。


また、リース会社等をグループに持つ総合金融機関でもある。
伊予銀行では、多様かつ膨大なバックエンドシステムへのログインを効率化するため、NTTソフトウェアのシングルサインオン認証システム「CSLGuard(コンソールガード)」を 導入した。

課題

増加するID・パスワードの管理が問題に

地銀トップクラスの広域店舗網や、健全性・収益性の高い財務基盤が特色の伊予銀行。その堅実な経営と同様に、I Tシステムの構築についても安全性や信頼性を重視している。

株式会社伊予銀行 平松大輔氏

「IT戦略については、先進的で質の高いサービスを顧客に提供できるよう、信頼性や可用性、セキュリティの高いシステム構築を図っています。新しいシステムを導入する際は、慎重な議論を重ねて検討し、導入後はできるだけ長く使うようにしています」とシステム部 平松大輔氏は説明する。今回導入したシングルサインオンシステムも、その戦略の延長線上にある。

顧客に総合的な金融・情報サービスを提供する伊予銀行では、バックエンドで稼働するシステムも多様だ。オープン系サブシステムは50システムを超えて増加し、そのうち全店展開しているシステムも10システムを超える。そのような状況下で、各サブシステムのID・パスワードの管理は個人に任されていた。しかもシステムによって文字数や使用可能な文字はまちまち。
営業店の行員は1人で最大11個のID・パスワードを保有し、システムを利用するたびにその入力を強いられていた。行員の業務負荷やセキュリティリスクの増加を懸念した伊予銀行のシステム部では、この問題を解決する方法を検討していた。

解決へのアプローチ

シンプルかつリーズナブルな製品を選定

各サブシステムが独自に持つID体系を変更するとなると、開発コストと時間がかかる。そこで、一度PCにログオンすれば、各システムにも自動で代理ログオンできるシングルサインオンシステムの導入が検討された。要件を満たす製品を3製品にまで絞り込み、最終的に決定したのはNTTソフトウェアのCSLGuardだった。決定要因をシステム部担当課長 笹川恵嗣氏はこう説明する。

株式会社伊予銀行 笹川 恵嗣氏

「他社製品と比べてCSLGuardは、当行が求めている機能がシンプルに集約されていました。また、NTTソフトウェアの自社開発製品であり、国内の開発技術者からのサポートを受けられる点、カスタマイズに対応してもらえる点も考慮しました。そして決め手は価格です。こういった製品は、導入効果を数値で算出しにくいため、高価な製品では予算取りが難しいのです。その点CSLGuardは、他社製品と比べて価格がリーズナブルでした」

CSLGuardはパッケージ製品だが、今回は、伊予銀行が使用するActive Directory(以下AD)サーバーと連携させるためにカスタマイズを実施することとなった。NTTソフトウェアとしてもCSLGuardとADシンプルかつリーズナブルな製品を選定サーバーの連携は初めての試みとなった。

「CSLGuard 導入プロセス」

ソリューションとその成果

シングルサインオンはなくてはならない存在

ところが、CSLGuardと各システムの連携は一筋縄ではいかなかった。 今回、全部で7のサブシステムにアクセスさせる計画だったが、各システムは認証プログラムも通信の仕組みもそれぞれ違う。そのため、テスト過程でいくつかの細かな問題が生じた。伊予銀行とNTTソフトウェアでは、各システムのベンダーや担当者とも協力しながら、一つ一つ問題を解決していった。実際の移行時には、稼働中のサブシステムに影響を与えないように慎重を期し、1週間に2または3システムずつ移行させていった。


本番稼働後にトラブルが発生した。CSLGuard経由でサブシステムにアクセスした場合、一部ユーザーでブラウザから何らかの情報を入力し「更新」ボタンを押したはずなのに、入力内容がサブシステムに反映されない事象が判明した。この事象はテストでは出現しなかったが、本番稼働後に出現するようになった。伊予銀行は急遽移行したサブシステムについてCSLGuardを経由しないでアクセスさせるようにし、NTTソフトウェアに対応を依頼。すぐに東京から数名の技術者が派遣された。技術者はPCとCSLGuard間の全て電文のやり取りを確認するなど地道な作業で、本社スタッフとも連携しながら対応に当たった。
結果、約1週間後にはシステムの再稼働が実現した。システム部 平松大輔氏は当時を振り返る。


「パッケージだけでなく新規開発を加えたシステムであり、テスト環境と本番ではユーザー数も違います。ある程度のトラブルの発生は覚悟していました。しかし、トラブルが長引けば影響は甚大です。NTTソフトウェアが素早く誠実に対応してくれたことで、問題が大きくなるのを防ぐことができました。開発元だからこそできたサポートだったと思います」

「システム構成図」

今後の展開

アクセスログの取得も容易に

システム管理者がアクセスログを集中管理できるようになったこともCSLGuardの導入効果の一つだ。従来のシステムで特定のユーザーのログを取得しようとすれば、各システムからログを収集し、時系列でソートし、それを人名で検索する、という手間が必要だった。

株式会社伊予銀行 中原 隆志氏

CSLGuardを導入したことで、連携しているサブシステムのログを一括して、ユーザーID単位で取得・把握できるようになった。このことは日本版SOX 法対応などで必要となるシステム監査への対応を容易にし、セキュリティレベルの向上にも貢献する。また、各サブシステムの担当者への、ユーザーからのパスワード忘れの問い合わせがほとんどなくなったことも目に見えない導入効果といえるだろう。

伊予銀行ではCRMシステムを導入するなど、顧客サービスを向上させるためのIT戦略にさらに力を入れていく計画だ。
「NTTソフトウェアのサポートに今後も期待しています」とシステム部 課長代理 中原隆志氏。

拡大を続ける伊予銀行のシステムを安全で便利に運用するため、CSLGuardとNTTソフトウェアの役割はますます重要になっていくだろう。

伊予銀行のみなさま(左より)中原 隆志氏、笹川 恵嗣氏、内山 浩二氏、平松 大輔氏

伊予銀行のみなさま
(左より)中原 隆志氏、笹川 恵嗣氏、内山 浩二氏、平松 大輔氏

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1878年
事業概要 明治11年、第二十九国立銀行として創業。愛媛県を中心とする瀬戸内圏全域へ、また、海外にも店舗網を展開。「潤いと活力ある地域の明日を創る」「最適のサービスで信頼に応える」「感謝の心でベストをつくす」という企業理念のもと、地域社会の発展に貢献している。
資本金 209億円
従業員数 2,948人(2011年3月31日)
URL http://www.iyobank.co.jp/

※2012年5月現在