概要

廃棄物のリサイクル事業を手がけてきた老舗企業が、環境ビジネスカンパニーへと転身したのは、創業からおよそ一世紀を迎える1997(平成9)年のことである。Re-sources Technology&Managementの頭文字をつないでリーテム。歴史に裏付けられた実績に加えて、技術を活かしたマネジメントの普及と発展にも取り組んでいこうとする意気込みが見て取れる社名だ。2012年夏、営業・コンサル機能等を集約してオフィスを新しく拡張するにあたり、固定電話を置かないフリーアドレス化に決めた。NTTソフトウェアが提案する「ProgOffice スマートフォンセキュリティLite」(以下Liteパックという)の導入が、その実現の一役を担うことになった。

課題

フリーアドレスには、スマートフォンの内線化が課題

「とにかくまじめで正直な会社です。こと CSR(企業の社会的責任)には敏感で、『RISM(通称 : リズム)』策定以降、コンプライアンスや社内外のリスクを管理する取り組みに余念がありません」こう語るのはマネジメント推進部(情報システムグループ)の専任部長を務める秋谷氏である。

RISMとはRe-Tem Integrated System of Management(リ ー テム統合マネジメントシステム)の略称で、リーテムの社会的責任を明らかにするとともに、取り組むべき課題やその実践に向けた方針を社内外に周知し、自社内で実践するシステムである。

ISO規格の「環境管理」「情報管理」「労働安全衛生管理」を統合した管理システムとしてスタートしたが、現在では現場業務から経営までを管理する社内ツールとして運用している。

今回、移転拡張するオフィスのフリーアドレス化にあたってスマートフォンの活用を考えたが、RISMに沿って確実に、しかも安価にそれをマネジメントできるかが課題になった。PBXの仮想化サービスと「Liteパック」との組み合わせの提案が、その課題解決を導くことになる。

解決へのアプローチ

目標は「お客さま情報」をいっさい端末側に保存しないこと

氏名、電話番号、会社名、メールアドレスなどが登録され、発着信履歴が残る携帯端末は個人情報の宝庫だ。その紛失は情報漏えいを招きかねない。社員一人の過失であっても、それが社用で利用しているものであれば、会社としての責任(謝罪や補償)を強いられたり、社会的信頼を失ったりするケースも考えられる。

特にスマートフォンやタブレットなどの企業利用が進む昨今、起こり得る事態に備えることを主目的に、NTTソフトウェアが企業向けに開発したのが「ProgOfficeスマートフォンセキュリティ」だ。社内外の利用を問わず、「電話の発着信履歴」「電話帳データ」「メール」をスマートフォンに残さないよう、Androidアプリと管理サーバーが一対となった管理システムである。従来は端末ごとに登録されていた取引先や社員の情報を、サーバーで一元管理して端末をシンクライアント化。スマートフォンには「お客さま情報」をいっさい残さないことが最大のセールスポイントだ。

ProgOfficeアプリ画面イメージ
リーテムが導入した「Liteパックモデル」はその低価格版である。500人~2,000人ほどの利用者を想定したスタンダードモデルに比べて、「Liteパック」の想定利用者は50人~500人程度。その分、サーバーの小型化や、稼働に必要なセットアップをユーザー企業に任せることが可能となり低価格設定を実現した。通信費削減のためには決められた特番を付与してダイヤルすることが必要だが、共有電話帳ならば社員が気にせずとも特番付きの発信が徹底できる。また、社外の営業担当が変わった場合でも、共有電話帳さえ更新しておけばいいので顧客データの管理ロスがない。メール機能も含めると「お客さま情報」をサーバー側に保存することは、極めて効果的な情報セキュリティ対策になるだろう。

ソリューションとその成果

スマートフォンの活用で垣根の無いオフィス空間が実現

全社員130名のうち、スマートフォン利用者は約100名。「社内電話帳に関してはサーバー登録が済んだところ。お客さまを含めた社外の電話帳はまだまだこれからです。グループごとに管理者を設定して、その中での一元化を指示しています」(総務部 部長 ・ 菊田氏)

総務部の工藤氏は、「一人の営業担当者が持つ顧客情報は300~400件にのぼります。このすべてをすぐにスマートフォンセキュリティの電話帳で一元管理できるようになれば理想的ですが、現段階はまだ移行過程。専用アプリからサーバーに保存されている電話帳を読み出して電話を掛ける、ということに対してもまだ慣れが必要ですし、これからの課題ですね」と語る。

新設オフィスのデスクはすべて共用。社員はノートパソコンや携帯電話を持って空いている席で仕事をするように設計された、いわば図書館スタイルのオフィスがフリーアドレスだ。部署ごとにある専用デスクのかたまりを解体することが自由な発想や働き方の見直しにつながるとして、先進的な経営者の率いる企業が取り入れる新しいオフィスのあり方である。

「オフィスのフリーアドレス化を前提にすると、持ち運べるスマートフォンの通信環境が最適と判断しました。 その機動力で、情報の共有や部門を超えたコミュニケーションの促進を期待しています。今でも、隣から違う部署の話が聞こえてくるので、『お互いの呼吸がわかっていいね』という声が聞こえるようになりました。これはスマートフォンの内線化の効果といっていいでしょうね。それが出来なかったら、フリーアドレス化もなかった」(菊田氏)

リーテムではすでに社内電話帳の一元化を済ませているため、人事異動などによる内線番号の変更があっても一括処理で対応できる。また、「Liteパック」はAndroidアプリのインストールが利用条件になるため、社員の私物端末の業務利用(BYOD)を仮に許可することになっても、簡単に企業ポリシーを適用することができる。

居室風景1

今後の展開

社員の使い勝手を考慮しつつセキュアな環境を整備する

電話の内線機能は株式会社 NTTドコモの「オフィスリンク(PBXの仮想化サービス)」が担っている。「Lite パック」と組み合わせることで、スマートフォンのセキュアな活用が可能になった。リーテムでは社員全員に使い方をトレーニングするのではなく、使いながら問題点を改善していくという方法を取っているとのこと。それが出来るのも、システムの開発元である NTTソフトウェアがすぐに問い合わせに対応してくれるから、と工藤氏。

「いずれはメール環境もスマートフォンとPCで同期がとれ一元管理できる環境が必要になるのは明らか。Web電話帳同様にセキュリティを担保しつつ、利便性の向上を目指していきたい」と語るのは前出の秋谷氏だ。

続けて、「BCP(事故や自然災害から企業活動を守る事業継続計画)の観点からも、在宅勤務などの就業形態をも考慮した情報管理が必要になってくるはずです。そうなれば、よりスマートデバイスを活かしたセキュリティの必要性はもっと高まっていくに違いない」と将来を予見している。

システム構成図


居室風景2

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1909年(明治42年)
事業概要 資源のリサイクル及びリユース / 製鋼原料及び非鉄貴金属原料の売買 / 建築物・工作物の解体・移設・撤去 / 資源循環・リサイクルに関するコンサルティング / エコインダストリアルパークなどにおけるリソースマネジメント及びエコセンターマネジメント
資本金 1億円
従業員数 130名(2012年9月1日現在)

※2013年5月時点現在