概要

株式会社サトー様(以下、サトー)は、バーコードや2次元コード、非接触で識別可能なRFID などの自動認識システムの総合メーカー。食品や医療、製造業などの業界に対して、プリンタからラベルなどのサプライ製品、保守サービスまでをトータルソリューションとして提供しているトップブランド企業だ。今回、日本版SOX法の施行を契機に内部統制の強化を図り、IT統制の切り札としてアイデンティティ管理ソリューションを導入した。

課題

日本版SOX法対策が、業務見直しの大きな契機に

ハンドラベラー「UN01W」

サトーの創業は古く、竹材加工機の製造販売を開始した1940年まで遡ることができる。そして1962年に発売したハンドラベラーが世界的なベストセラーに。その後、バーコードの普及とともに「正確・省力・省資源」を実現する自動認識システムの総合メーカーとして成長してきた。

サトーでは、バーコードなどの自動認識技術を駆使して、製品や原材料などの「物」や「人」の動きと「情報」を1 枚のラベルで結ぶ仕組みを顧客に提案する「DCS(データ・コレクション・システムズ)&Labeling」という独自のビジネスモデルを展開している。流通・物流業界の入出荷検品システムをはじめ、食品加工業界においてはバーコードラベルを利用したトレーサビリティシステム、また医療分野では患者識別IDをバーコード化し、リストバンド上に印字することによる医療過誤防止や院内管理システムとして、さまざまな業界で省力・省資源化を実現してきた。

創業者が残した「社会貢献にならない事業はやらない」という意志を守り続けるサトーは、早くからCSR 経営に取り組んできた。そして2007年、社長を委員長とする「業務運営の透明性とクオリティを高める全社運動」がスタート。このプロジェクトでは、“内部統制”という難解な言葉を使うのではなく、かみ砕いた言葉で現場に浸透させたいとの思いから、社長自らが透明性とクオリティを高める必要性を唱え、浸透を図っていった。

「上場企業として日本版SOX法に対応する必要があったのは事実ですが、それは同時に自分たちの業務を見直す大きなチャンスであるとも考えられます。受け身ではなく、あくまでも能動的に取り組もうと考えました。ICT分野での内部統制強化も重要な課題であり、確実に機能すれば従業員の負担を大きく軽減できます。今回のアイデンティティ管理ソリューションの導入もそのひとつです」 と湯田氏は当時を振り返った。

株式会社サトー 湯田 勝也氏

ソリューションとその成果

選定のポイントは「拡張性・コスト・サポート体制・順国産」だった

内部統制報告制度ではICT運用が厳密に評価されるが、従来ほとんどの企業では業務システムごとにID管理を行うことが一般的だった。そこで改めて自社システムを洗い出してみると、メインフレームを含め、多くの業務システムが導入部門毎に管理運用されていた。


「ID管理のルール化と統合運用は情報セキュリティの要です。そのためにはID を集中管理することができるツールが必要でした」
(湯田氏)。


このような経緯から、複数の業務システムのID を一括して統合管理できるツールを探し始め、数社の製品を慎重に機能やコスト面で検討した結果、アカウントを一元管理する「 ACTCenter(アクトセンター) 」および、シングルサインオン (*1) とアクセス制御を実現する「 CSLGuard(コンソールガード) 」を選定。NTTソフトウェアの製品を選んだ理由は、汎用系からオープン系まで異なるさまざまなシステムに対応できる点とカスタマイズの柔軟性だったと語る湯田氏。


「外資系ソフトも含め、数多くのICT導入を経験してきましたが、今回は特にサポート体制と導入実績を評価しました。この製品は純国産なのでサポートが安心で実績も申し分ないものでした。また、2つの製品が同一プラットフォーム上で運用できるのも重要なポイントでした」
(湯田氏)。


2009年2月に導入が始まり、4月末には新入社員の人事情報からIDの初期登録も完了した。社内規定により、社員は8 桁の英数字パスワードを3ヵ月毎に変更する必要があり、これが大きな負荷となっていたが、「ACTCenter」がパスワードを定期的に自動更新し、「CSLGuard」でシングルサインオンができるため、利便性とセキュリティが同時に強化することができた。現場での導入メリットは大きく、既に社内からは残りのシステムにも早く導入して欲しいとの要望が上がっているという。

ID管理ソリューションのシステム構成図

【用語解説】

*1:シングルサインオン
ユーザーがログオンして認証を受ければ、サーバへの接続やアプリケーションの利用など、許可されているすべての機能を利用できるようにするシステム。

今後の展開

今後はグローバルなID統合管理も視野にいれたい

サトーが提供するバーコードやRFIDなどの自動認識システムは、今や業務の効率化と省力・省資源化に欠かせない仕組みであり、日本国内だけでなく、欧米やアジアにも早くから現地法人を設立し、海外にも事業を拡大している。また最近では台紙がないシール・ラベル「ノンセパ」を開発・製造し、ゴミの削減に貢献するなど、地球環境保全への取り組みも熱心である。

海外事業の構造改革と事業拡充を積極的に展開するサトーでは、グローバルな視点からのITガバナンスも重要な課題。

今回のID 統合管理のメリットを実感した湯田氏は「海外も含めたID 統合管理に早く取り組みたい」と語り、つづけて「景気が低迷する今、よほど有効なものでなければ経営者はICTへの投資を認めてくれません。今回は想定以上に内部統制強化と情報セキュリティリスクの低減ができました。ID統合管理もどんどん進化させなければいけないので、これからもアンテナをはって経営者が納得するICT運用計画を立てていきたいですね」 と笑顔で語ってくれた。

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1951年5月16日(昭和26年)
事業概要 RFID やバーコード、2 次元コードなどを利用した自動認識システムの提案とハードウェア(プリンタ、ハンドラベラー、ラベル自動貼付け機器)、ソフトウェアおよびサプライ製品(ラベル、チケット、リボン、ICタグ・ラベルなど)の開発・製造・販売。磁気カードを使ったポイントカードシステムなどの提案とリーダライタなどの関連機器、サプライ製品(磁気カード)の製造・販売。 各種デザインシールの提案・デザイン・製造・販売。
資本金 63億3,000万円
従業員数 3,613名(連結) (2009年3月末現在)
URL http://www.sato.co.jp/

※2009年6月現在