概要

清水建設株式会社様が、緊急対応が必要な災害時にもスピーディーに連絡が取れる手段として、ビジネス向けグループチャット「TopicRoom」を導入した事例を紹介します。

課題

【課題】 BCPの実現には迅速な情報共有が必要

 清水建設(株)投資開発本部は、ゼネコンのデベロッパー部門としてecoBCP※など建設会社ならではの技術やノウハウを活用した不動産の開発と運営を行っている。

 同本部に属するアセットマネジメント部は、主に運営を担っており不動産関連のグループ会社と連携して約20件の施設の運営を行っている。

 地震や台風等で大規模な災害が予測される場合や発生した際には、アセットマネジメント部は、運営している施設の安全確保対応や被害状況把握を迅速に行う必要があり、同部部員はグループ会社と協力して自らが担当し運用する施設への対応指示や被害の把握を行う。

清水建設 人物画像1 「担当者が外出中でも、休日の深夜でもスピーディーに連絡が取れる手段が欲しかった」というアセットマネジメント部の松繁氏。


これまでは、これらの指示や報告は部員一人ひとりが携帯電話の音声やメールで管理会社と連絡を取り行っていた。そのため、すべての施設と連絡がつくのは、場合によっては災害発生の翌日になることもあったという。

 「緊急対応が必要な災害というのは、たいてい休日や夜に起こるんですね。だから部員や管理会社と連絡をとりにくいことも多かったのです」とアセットマネジメント部の松繁氏は話す。部員が外出中でも、休日の深夜でもスピーディーに連絡が取れる手段が欲しいと考えていた松繁氏は、偶然にTopicRoomの存在を知った。TopicRoomは、部署やグループなど任意の「ルーム」を作成し、参加メンバーがPCやスマートフォンなどからグループチャットで自由に会話できるコミュニケーションツールだ。「そのときは具体的にどう使うか思いつきませんでしたが、必ず役立つと感じました」という松繁氏は、まずアセットマネジメント部の14名で活用することにした。

※ecoBCP:非常時の事業継続・エネルギー確保を考慮した上での、平常時の節電・省エネ対策

システム概要図
清水建設 人物画像2 「組織の垣根を下げるだけでなく、いつもは情報発信が少ない人からの発信を増やす効果もある」というリーシング推進グループの岡田氏。

解決へのアプローチ

【解決】 半日以上かかっていた状況把握が2時間半に短縮

 新たなシステムを業務に導入する際は、使い勝手は勿論だが、セキュリティの確保が重要だ。その点、TopicRoomには、(1) 端末にデータを残さない、(2) 多要素認証でなりすましを防ぐ、(3) 通信路も暗号化する、という高度なセキュリティが施されている。

 TopicRoomが真価を発揮したのは、導入後初の防災訓練だ。本社(東京都中央区)のほか、ガーデニエール砧WEST(世田谷区)、横浜アイマークプレイス(横浜市)の3か所に防災拠点を設け、テレビ会議システムで結ぶという新たな試みを行った。そこにTopicRoomも連絡手段として組み合わせた。
 「使い方はあえて決めませんでした。その場のアイデアでどんな使い方がされるか試してみたかったからです」というのはアセットマネジメント部の川田氏。

「首都圏で大規模地震が発生」と想定された時刻になると、TopicRoomの会議室に続々とメッセージが書き込まれていった。「横浜、テナント様への非常食配布訓練開始しました!」「砧、テレビ会議システム立ち上げ完了!」常時接続でレスポンスの早い報告には写真も添えられていた。TopicRoomならスマートフォンのカメラを使って、メールよりも簡単に写真を添付できる。「仮設トイレの設置が完了しました!」という報告なら、組み立てられた仮設トイレの写真を送ってくる。臨場感があり、状況把握のスピードアップや安心感にもつながった。

 予想外の効果は、トピック機能が被害報告をまとめるために役立ったことだ。施設ごとに送られてきたメッセージは時系列になっているため、トピックとしてまとめると、そのまま報告書になった。メールや電話で収集した情報をまとめ直していたときに比べるとスピード感が違う。

 「2015年5月30日発生の地震のときも、休日夜間ではありましたが施設の状況把握と報告まで約2時間半で完了しました。地震の規模にもよりますが、半日以上かかっていたTopicRoom導入前に比べると、まさに隔世の感がありますね」と川田氏は驚いている。

ソリューションとその成果

【将来構想】 組織の垣根を低くするだけでなく将来はecoBCPにも活用

 現在は投資開発本部の85名全員がTopicRoomを利用可能になっている。「普段の業務でも、組織間の垣根を低くしたり、いつもは情報発信が少ない人からの情報発信が増えるといったメリットがある」と強調するのは同本部リーシング推進グループの岡田氏。「私の仕事は幅広い組織と連携しながら行うので、気軽に情報発信できるのはとても役立っています」という。

清水建設 人物画像3 「二人だけの会議室をつくり、雑談でコミュニケーションを深めるのも大切」というアセットマネジメント部の川田氏。


 川田氏は「私の場合は二人だけの会議室をつくって、趣味の話題などでコミュニケーションを深めています。そうして築いた関係がいざというとき仕事に役立ちますから」と話す。

 松繁氏は「グループ企業やテナント企業ともTopicRoomで情報共有したい」と将来構想を語る。「夏の電力消費のピーク時に『節電にご協力をお願いします』というようなやり取りが直接できれば、テナントの理解も得やすくなりきめ細かなエコが実現できます」と、同社のecoBCPにも幅広く役立てていきたいと考えている。

ビル画像:横浜アイマークプレイス 災害時には防災拠点となる横浜アイマークプレイス(神奈川県)。
72時間の非常用発電でBCPに対応し、環境認証評価でDBJ Green Building プラチナ(最高位)を取得。

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1804年
事業概要 建築・土木等建設工事の請負 (総合建設業)
資本金 743億6500万円
従業員数 10,819人(2015年4月時点)
URL http://www.shimz.co.jp/

※2015年4月現在