概要

地図情報サービス市場は、GIS(地理情報システム)とスマートフォンを代表とするモバイル端末の高機能化によって、さまざまな新しいサービスが提供されている成長分野だ。

ルート案内サービス『いつもNAVI』
2000年に設立されたゼンリンデータコムは、無料地図サイトサービスや歩行ナビゲーションサービスなどの新しいサービスを次々に市場に投入することで、成長を続けてきた。同社の代表的なサービスである、徒歩や自動車、乗り換えなどのルート案内サービス「いつもNAVI」は、2011年にアンドロイド端末向けのサービスの提供を開始し、変化し続けるモバイル端末にもいち早く対応している。


新しいサービスを迅速に展開するためには、人的リソースの的確な配置と増員が不可欠であり、同社は設立以来10年で3回の本社移転を経験している。同社が一層の成長を実現するためには、組織変更への柔軟な対応とともに通信インフラのコスト削減という課題があった。そこで理想的な通信環境を実現できるプラットフォームとして導入したのが、NTTソフトウェアの 『ProgOffice』 だった。

課題

プラットフォームの自社運用を目指す

株式会社 ゼンリンデータコム 鈴木 伸幸 氏
コミュニケーションのプラットフォームは企業活動に不可欠なインフラであるが、企業規模が拡大するに従って、その運用コストは増大していく。また、従来までの社内電話システムでは、コミュニケーションロスによる従業員の無駄時間発生や機会損失の低減には限界があった。それを解決するソリューションがNTTソフトウェアの『ProgOffice』である。


携帯電話を内線電話として利用できるだけでなく、無線LANで従業員の居場所を通知する「リアルタイムプレゼンス」機能や携帯電話をシンクライアント化する「ネットワーク電話帳」機能など多彩な機能が用意され、コミュニケーションの効率化と自社運用による運用コスト削減が同時に実現可能になる。


株式会社ゼンリンデータコム 管理本部長兼総務部長の鈴木伸幸氏は、
「当社は2000年に設立して以来、2002年、2010年と社員の増加に対応するために本社を移転し、増床しています。これまでは、サービスの拡充や、社員の増加や異動のたびに社内の固定電話の再設定を外部業者に依頼していました。しかし、再設定の頻度とそのコスト、それに必要な時間を考えると、自社内で通信インフラの運用・管理を行う必要を感じていました」 と、『ProgOffice』導入の背景を説明する。

株式会社 ゼンリンデータコム
さらに、同社の社内PBXの容量も不足気味であったこともあり、通信インフラの再構築の検討は2009年4月からはじめられた。そして、新しいプラットフォームの導入と運用開始は、2010年4月の本社移転にあわせて進められていくことになった。

解決へのアプローチ

異動や増員に柔軟に対応できる通信インフラ

新しいプラットフォームの導入にあたっては、運用コストの削減の他にもいくつかのテーマがあったと鈴木氏は当時を振り返る。


「通信インフラ再構築の第一の目的は、自社運用による運用コストの削減と、コミュニケーションロスの解消です。しかし、組織変更への迅速な対応の実現や、携帯電話と固定電話間で定額通話ができるNTTドコモの『オフィスリンク』と新しく導入する『ProgOffice』のPBXを連携させることで、通信コストの圧縮を実現したいという狙いもありました。
さらに、今後も社員の異動や増加、拠点の移転や増床が予想されるので、その際に発生するコストを抑えるために、社外のデータセンターにPBXを設置することを考えました。社屋移転で会社の代表番号などを変更する際には、社内外への告知の手間、番号変更に よる連絡の齟齬や機会損失、名刺の刷り直しなど、有形無形のコストも問題視していたからです。」


NTTソフトウェアをはじめとした数社が、ゼンリンデータコムにソリューションを提案したが、最終的に『ProgOffice』に決定した経緯を鈴木氏は次のように説明する。
「企業の通信インフラの導入としては、今回の我々の要求は、少々特殊でした。ひとつは『オフィスリンク』と連携するということ。もう一つは、社外にPBXを置く点です。しかし、NTTソフトウェアは、我々の意図を十分に理解して、満足できるトータルな提案をしてくれました」 ソフトウェア開発では以前から付き合いがあったので、技術力の面でも心配する点は皆無だったと、鈴木氏は選択の理由を付け加える。


『ProgOffice』では、同じ建物の中での配置転換であれば、本人と共にIP電話機を移動させるだけでよく、再設定作業は必要ない。また、同社の職種は技術開発部門と営業部門に大別される。社内での業務が多い技術開発部門の社員には従来通りの固定電話、社外での活動が多い営業部門には内線電話としても使用できる携帯電話を割り当てることで、導入する固定電話数を減らせる。同時に職務による使用電話端末の最適化も実現できた。


これにより、PBXを、社外に設置したことで、本社・営業所など、住所が変わっても外線番号を変更なしに使い続けることが可能になった。

「ProgOfficeシステム構成」

ソリューションとその成果

低コストで柔軟な通信インフラを整備

NTTソフトウェアの『ProgOffice』の導入により、当初の課題は全て解決できたと鈴木氏は導入を高く評価する。
「現在、当社の構成は、固定電話が約120台。従来よりも約60台の削減を実現できました。また、『オフィスリンク』との連携によって、通信コストも削減できました。これは目に見える効果ですが、社内・社外を問わず携帯電話を内線電話として利用できるようになり、従業員間の意志疎通がこれまで以上に円滑になりました。役員など決裁権のある役職者との連絡がすぐにとれるようになり、迅速な意志決定が可能になったことは、目に見えない導入効果だと思っています」


ゼンリンデータコムでは社外のデータセンターにPBXを設置したが、これは事業継続性の強化についても期待できる。東日本大震災では、社屋が直接被災し、自社の通信インフラが使用できない状況が発生した。しかし、社外にPBXを設置していれば、社屋が被災した場合でも、ネットワーク回線が使用できれば電話通信は可能になる。

「ProgOffice導入後のコスト効果」

今後の展開

今後もコーディネート力に期待する

『ProgOffice』には、 「リアルタイムプレゼンス」 や 「携帯電話のシンクライアント化」 などの多彩な機能が用意されている。現在、ゼンリンデータコムが利用しているのは「ネットワーク電話帳」である。
「『ProgOffice』の導入により、通信インフラのトータルコストが削減できました。今後はセキュリティーを担保しながら、完全ワイヤレス化などの他のサービスの利用も検討していく予定です。通信分野では、さまざまなプラットフォームやデバイス、ソリューションが存在しますが、最適な形で提案してくれるNTTソフトウェアのコーディネート力に期待しています」 と鈴木氏はNTTソフトウェアへの期待を示す。


社内通信インフラ最適化は、無駄時間や機会損失の削減だけでなく、生産的で創造的なオフィス環境づくりには不可欠の要素であるといえる。ゼンリンデータコムではストレスのないコミュニケーション環境が実現されている。同社は、すでに次のオフィス増床の計画を進めているが、導入済みの『ProgOffice』により、スムースな人員の異動と増員を実現できるだろう。


NTTソフトウェアのソリューションとコーディネート力は、時代の流れを的確に捉え、その変化に柔軟に対応していく企業を、今後も支え続けていく。

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 2000年4月13日
事業概要 各種モバイル端末向けの地図情報検索・ナビゲーションサービスを中心として、付加価値の高い地図情報サービスや 地図ソリューション事業を展開している。サービスの提供先は、コンシューマーから企業ウェブサイト、主要なポータルサイト におよび、同社のサービスの品質と信頼性は高く評価されている。
資本金 17億8,306万円
従業員数 154名(2011年4月1日現在)
URL http://www.zenrin-datacom.net/

※2011年9月現在