2015年03月24日

NTTソフトウェア株式会社(以下、NTTソフトウェア 本社:東京都港区港南、代表取締役社長:山田伸一)は、聴覚障がいのある児童生徒の授業を支援する「こえみる」を2015年4月1日から販売します。

こえみるは、聴覚障がいのある児童生徒のコミュニケーションにおける情報保障(*1)を目的に、先生が話した言葉を高度な音声認識技術(*2)を用いてテキストに変換し、電子黒板やタブレット端末にリアルタイムに表示するシステムです。従来、手話で伝えにくかった言葉を伝えやすくできるだけでなく、先生が話す言葉の電子化・保存により、パソコン・スマートフォンなどから授業の振り返りを簡単に行うことができます。特別支援学校の授業で実証研究を行い、実用化に向けて先生方からの要望を反映し、こえみるを改良しました。今後、全国の聴覚障がいのある児童生徒に対する授業を行っている特別支援学校への導入を推進していきます。

こえみる利用の様子

横須賀市立ろう学校の実証研究で、こえみるを使って授業を行っている様子

背景

現在、特別支援学校では、聴覚障がいのある児童生徒に対する授業を先生が口話(*3)や手話などの多様なコミュニケーション手段を利用して行っており、特に、生活や学習につながる言葉や文章を児童生徒に理解してもらうには、繰り返し教えることが必要です。

そのため、口話や手話などと同時に先生の発話を文字で表示することで、児童生徒が正しい言葉や新しい言葉をすばやく身につけ理解を深めることを目的に、NTTサービスエボリューション研究所がこえみるを開発しました。その後、NTTソフトウェアにおいて製品化に向けた実証研究を実施しており、この度販売を開始します。

特長


(1)手話では伝えにくい言葉を伝えやすく

手話にない言葉や、「しとしと」「ぽつぽつ」などの擬態語、尊敬語・謙譲語は、手話だけでは伝えにくく、児童生徒が理解するまでに時間がかかることが課題でした。こえみるにより、先生の発話をリアルタイムにテキスト化して表示することで、手話で伝えた日本語のニュアンスと文字を結びつけることができ、児童生徒の理解を促進することができるようになります。

(2)授業の準備作業を軽減し、円滑な授業進行を支援

授業では、学習した内容と文字を結びつけて確認してきました。しかし、その都度、板書するのでは、授業の流れが中断されてしまいます。そのため、事前に言葉を短冊に書いて準備しておくなど、授業を止めない工夫をしてきました。こえみるは、先生の発話を自動的に文字で表示することができるため、このような事前準備の時間を削減し、先生の負担を軽減します。

(3)簡易に授業内容の振り返りが可能

授業の始めにこれまでの授業を振り返ったり、終わりに今日の学習をまとめたりする際には、板書や掲示物を使って文字で確認することが必要になります。振り返りのためにも、短冊の準備や掲示物の作成が必要でした。こえみるでは授業の記録が残っているため、授業内容の振り返りを容易に行うことが可能になります。また、これまではできなかった、自宅でパソコンやスマートフォン、タブレット端末から授業内容を閲覧することもできるようになります。

価格(税別)

サービス提供 12,500円/月(1教室)

※クラウド環境を使わず自社にサーバを設置するSI型も提供しています。

 その際には、「音声認識サーバ」と「管理・閲覧サーバ」が必要なため、ご相談ください。

※こえみるを実際に体験してもらい、効果を試すデモおよびトライアル環境を準備しています。

 ご希望の方は、お問い合わせください。

最小構成

こえみるの利用には、以下の準備が必要です。

・インターネット接続環境

・パソコン:Windows 7/Windows 8/Windows 8.1(32bit/64bit搭載)

・マイク

今後について

こえみるは、2014年度より文部科学省の研究開発事業(*4)の委託を受けており、小学部までしか対応していなかった辞書を中学部向けに拡充させ、特別支援学校での授業中の先生の発話を用いたチューニングを実施することで、特別支援学校の小・中学部への利用の最適化を進めています。今後、NTTソフトウェアでは、この研究開発事業の成果を生かし、こえみるの改善を進め、実際の教育現場へと提供範囲を広げていきます。

本件に関するコメント(推薦文)

横須賀市立ろう学校 丹治美穂子 校長先生

こえみるの実証研究のお話をいただいた時に、障がいのある全国の子供たちのために役立ちたいと思い、積極的に取り組みました。例えばこえみるを使った授業で、ここは大事なキーワードと子供自身が思った時、本当に自分が思った言葉で正しいのかどうかを、こえみるの方を見て確認しようとしているようです。こえみるを使うことで、先生の声が文字に変換されるということを授業の中に取り入れることができ、それにより子供たちの言葉の理解が進んでいくのであれば、とても有効なことになると期待しています。

【用語解説】

*1:聴覚障がいのある児童生徒のコミュニケーションにおける情報保障

全ての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、障がいを理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(「障害者差別解消法」)が制定された。

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html

*2:NTT研究所の音声認識技術

NTTメディアインテリジェンス研究所で研究開発を進めている音声認識技術VoiceRexをNTTアイティ株式会社で商品化した音声認識ソリューションSpeechRecを採用。

*3:口話

聴覚障がいのある人が健聴者と同じように声を出して話し、また相手が話しているときの唇の動きを見て相手の話を理解すること。

*4:文部科学省の研究開発事業

NTTソフトウェアが2014年度から採択されている、文部科学省の「学習上の支援機器等教材研究開発支援事業」のこと。

*「こえみる」はNTTソフトウェア株式会社の商標です。
*記載されている商品名・会社名などの固有名詞は一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。

NTTソフトウェア株式会社概要

NTTソフトウェアは、高度なネットワークテクノロジーとシステム構築力を基盤にICT経営戦略コンサルティングからシステム構築、保守・運用に至るまでをトータルに提供するソリューションサービスプロバイダです。(http://www.ntts.co.jp/)


参考資料

こえみるの利用画面 こえみるの利用画面


こえみる概要図こえみる概要図